脳卒中・心臓病等総合支援センター
脳卒中・心臓病等総合支援センターの紹介
日本における死因の第1位は悪性新生物ですが、第2位は心臓病で、脳血管疾患と併せますと悪性新生物と匹敵するくらいの割合で亡くなられています。
循環器病(心臓病と脳血管疾患の総称)は健康寿命に大きな影響を与えるため、2019年に循環器病対策基本法が施行されました。
さらに循環器病対策推進基本計画が2020年に閣議決定され、鹿児島県においても対策基本計画が実施されています。
本センターは、この計画を推進し、地域全体で脳卒中・心臓病などの患者さんの支援体制を充実させることを目的として、厚生労働省脳卒中・心臓病等総合支援センターモデル事業に採択されて、2024年に開設されました。医師、歯科医師、看護師、医療ソーシャルワーカー、リハビリテーション専門職(理学療法士、作業療法士、言語聴覚士)、薬剤師、管理栄養士など多職種が連携・協力し、患者さんやご家族の疑問や悩みに応じた支援を行います。
センター長あいさつ
脳卒中・心臓病等総合支援センターは循環器病(心臓病および脳血管疾患)の予防・治療・社会復帰を円滑に行うために厚生労働省モデル事業として各都道府県に1か所ずつ設置されつつあるセンターであり、鹿児島県には2024年に鹿児島大学病院に設置されました。
循環器病は生活習慣病として予防ができる病気や、治療に緊急性を要する病気も多いです。
また、適切な治療を受けて救命し得ても身体機能などに障害を残してしまって社会復帰にサポートが必要となることも少なくありません。
本センターでは、『ふるさと鹿児島で人生を全うするため、6Sの心で予防~治療~復帰を全力サポートする』という理念に基づいて、安全(Safe)・安心(Secure)・瞬時(Speedy)・最適(Suitable)・満足(Satisfaction)・幸せ(Shiawase)をモットーとして患者さんおよびご家族に最適な人生を送っていただくサポートをさせていただきます。
循環器病でお悩みの患者さんやご家族の相談受付だけでなく、相談支援で使用するパンフレット、動画などの資料作成や提供、県民公開講座などを通じた情報提供や普及啓発活動、医療従事者に対する研修会や勉強会の実施、地域連携の推進などを通じて鹿児島県の循環器病医療および患者さんやご家族の生活の充実を図りたいと思います。
鹿児島県民に寄り添う総合支援センターとなれるように日々成長してまいりたいと思っております。皆様からのご相談をお待ちしております。
理念と基本方針
理念:ふるさと鹿児島で人生を全うするため、6Sの心で予防~治療~復帰を全力サポートする。
基本方針
- Safe:安全
安全で快適な闘病生活~社会復帰を送れるようにサポートする。 - Secure:安心
常に患者および家族に寄り添い、安心できる環境情報を提供する。 - Speedy:瞬時
状況に応じた臨機応変でスピーディな対応を心がける。 - Suitable:最適
病態・生活環境・人生観に応じた最適な医療情報・社会環境を提供する。 - Satisfaction:満足
患者および家族が満足できるような環境・情報を提供する。 - Shiawase:幸せ
患者および家族、さらに医療従事者を含めた全員が幸福感を感じられる活動をする。
センターの役割
脳卒中・心臓病相談支援窓口での患者さん・ご家族への情報提供だけでなく、相談内容解析や情報提供資材の作成、メディア・SNS情報発信、県民啓発、医療従事者に対する情報共有などを総合的にプロデュースすることが大きな役割です。
さらに、一方向性の情報発信だけでなく、学校祭への参加やSNS発信による小児・若年者の啓発や、タウンミーティングや県民参加型コンテストなど両方向性情報発信で県民の皆様の意識を高めたいと考えています。
そのために、鹿児島県・循環器病対策推進協議会・日本脳卒中協会・日本循環器協会・地域かかりつけ医と連携を密に取りながら、地域拠点病院にも脳卒中・心臓病相談支援窓口を設置して、県内どこでも同じ患者サービスが得られるように、医療関係者研修教育や資材の随時提供を行いたいと計画しています。
メンバー紹介
センター長 | 大石 充(心臓血管内科部門科長) |
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副センター長 | 花谷 亮典(脳神経外科部門科長) |
道園 久美子(地域連携センター副センター長、脳神経内科) | |
メンバー | 窪薗 琢郎(心臓血管内科副部門科長) |
曽我 欣治(心臓血管外科部門科長) | |
上野 健太郎(周産母子センター、小児科) | |
新山 修(救命救急センター副センター長) | |
吉田 輝(リハビリテーション部副部長) | |
野島 丈史(副理学療法士長) | |
北上 守俊(作業療法士) | |
有馬 春香(言語聴覚士) | |
玉木 直文(口腔保健科部門科長) | |
田畑 真由美(緩和ケア副看護師長) | |
髙山 直子(看護師) | |
福山 亮太(看護師) | |
大浦 飛鳥(社会福祉士) |
相談の流れ
脳卒中・心臓病相談支援窓口
患者さん・ご家族・地域住民の皆様より、病気のことだけでなく予防やリハビリ、さらには社会復帰に関わることまで、ご相談をお受けします。
病気の時間軸を常に意識しながら、患者さんおよびご家族の不安を理解し、払拭すべく、具体的な対処法や自験例、公的助成や控除の活用法などを丁寧に説明させていただきます。
特に小児やAYA世代の脳卒中・心臓病には遺伝性や難治性、希少性など専門性を有する相談内容も多いので、専門医や専門メディカルスタッフへのコンサルテーションの橋渡しもさせていただきます。さらに皆様からのご相談内容を分析してより良い情報提供に役立たせていただきたいと考えております。
相談方法:窓口対面・電話・メール・WEBなどでご相談をお受けいたします。
窓 口: 鹿児島大学病院 地域医療連携センター内 脳卒中・心臓病相談支援窓口
電 話: (準備中)
メール : (準備中)
WEB : (準備中)
●相談に対する対応
専門性が要求される場合には専門職(該当医師や医療スタッフなど)と連携を取って相談対応をします。
また、当センター独自の資材を効率的に用いてわかりやすい説明を心がけます。
脳卒中後のリハビリや就労支援などでは住環境の整備などを含むトータルライフケアを要することも多いので、数回に分けて運動/作業/言語/嚥下療法の専門家の意見も取り入れながら、詳しい相談が必要なこともあります。
メールやWEB相談は専任事務補助員が定期的にチェックをして、上記と同様の対応をさせていただきます。
●地域拠点病院における脳卒中・心臓病相談支援窓口
鹿児島は離島を含む広大な地域をカバーしているため、鹿児島大学病院までお越しいただけないことがあります。
地域拠点病院に脳卒中・心臓病相談支援窓口を設置していますので、まずはそちらにご相談ください。
各相談支援窓口には本センターから様々な情報を提供させていただいております。
さらに対応が難しい相談に対しては、本センターと相談支援窓口HOTLINEを整備していますので、お気軽にご相談ください。
コンテストのお知らせ
脳卒中・心臓病等総合支援センターでは、本センターのロゴや啓発ポスター、脳卒中、心臓病の予防や治療、社会復帰などに関する川柳やレシピ、脳卒中や心臓病と楽しく付き合えるようなLINEスタンプを広く県民の皆様方から募集する予定にしております。現在、募集要項を作成中です。近日公開しますので、構想を温めておいてください。
皆様からの応募を心待ちにしております。最優秀賞や優秀賞には賞状・楯・副賞などを差し上げる予定にしております。
センター長の独り言
第一話 2024年8月
一般の皆様に脳卒中や心臓病はどのように映っているのでしょうか?
私の専門は循環器内科なので私の感じたままを書き記したいと思います。
患者さんに『高血圧ですよ。塩分制限や減量を頑張りましょう。』と話をしても、『父もそうでしたから。生活習慣の改善も頑張りますが難しいですよね』と答えられるパターンが非常に多いです。
生活習慣を改善して薬のお世話にならずに済む人はほとんど経験がありません。だから“生活習慣病”というのでしょう。
また、『診断は心不全です。心臓の機能が少し落ちていますので、お薬を飲みながら、心不全に合った生活をしましょう。』と話をしてもあまりピンと来ていないような感じの患者さんをときどき見受けます。
一方で、『胃癌の疑いがあるので精密検査をしましょう。』と言うと、真っ青な顔になりながら『ハイ、私は大丈夫でしょうか?』とお答えになられることが多いと感じています。
もちろん癌(悪性新生物)は生命を脅かす大変重要な病気なので、そのような反応になられるのは自然です。
しかしながら医学の進歩により現在の胃癌の生存率は改善されて、心不全の生存率より遥かに高いことはあまり知られていないようです。
しかも心不全は胃癌と違って予防することが可能な病気なのです。
このセンターを通じて、正しい情報発信をして鹿児島県民の命と生活を守りたいと思っています。