B.3 結核 |
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わが国では現在10種類の抗結核薬が存在しこれらはその抗菌力などから3つに分類される(表1)。主な抗結核薬の成人の標準投与量と最大投与量を表2に示す。なお、表1のFirst-line drugsは有効血中濃度の維持と直接監視下治療(DOTS)推進の観点から可能な限り1日1回投与を原則とする。現在の結核治療の標準的な方法は以下の通りである。 (A)法:RFP
+ INH + PZAにSM(またはEB)の4剤併用で2ヶ月間治療後、RFP
+ INHで4ヶ月間治療する。 (B)法:RFP
+ INHにSM(またはEB)の3剤併用で2ヶ月間治療後、RFP + INHで7ヶ月間治療する。 原則として(A)法を用いる。PZA使用不可の場合に限り、(B)法を用いる。 薬剤感受性が不明かつ症状の改善が明らかでない場合には、薬剤感受性の判明、臨床的改善の確認までSM(またはEB)を継続する。 標準的治療期間は、(A)法では6カ月間、(B)法では9カ月間とする。 但し、有空洞(特に広汎空洞)例や粟粒結核などの重症例、3ヶ月目以後(初期2カ月の治療終了後)にも培養陽性である例、糖尿病や塵肺合併例、全身的な副腎皮質ステロイド薬・免疫抑制剤併用例など、および再治療例、では3カ月間延長し(A)法は9ヶ月、(B)法は12ヶ月まで行うことができる。 表1:抗結核薬の分類
INH:イソニアジド、RFP:リファンピシン、PZA:ピラジナミド、SM:ストレプトマイシン、EB:エサンブトール、KM:カナマイシン、TH:エチオナミド、EVM:エンビオマイシン、PAS:パラアミノサリチル酸、CS:サイクロセリン 表2:各種抗結核薬の標準投与量と最大投与量
*:SMの投与量は毎日投与の場合の投与量である。最初の2ヶ月以内は毎日投与しても可。SM週2回投与の場合は1日最大投与量を1g/bodyとする。 **:EBは最初の2ヶ月間は25mg/kg(最大投与量1000mg/day)を投与しても良いが資料区障害に注意が必要である。また3ヶ月目以後も継続投与する場合には15mg/kg(最大投与量750mg/day)とする。 |