抗菌薬の届け出と連絡

処方に届け出が必要なもの

カルバペネム系薬、タゾバクタム・ピペラシリン、第4世代セファロスポリン系薬、

MRSA薬・バンコマイシン散

届出方法と感染制御部での対応

1)  上記薬剤処方時に、画面に届出が必要であることが表示される。

2)  医師は、初回処方時に、電子カルテのe-kanja記録で、文書テンプレートから使用届を入力する。病名、リスク因子、抗菌薬選択・量・診断プロセス・適応に関するチェック項目を入力する。中止薬剤を再開する場合は再度届出を行う。

格納フォルダ「共通」「抗菌薬届出」「抗MRSA薬届出」「広域抗菌薬(ペニシリン系薬)届出」「広域抗菌薬(カルバペネム系薬)届出」「第4世代セフェム系薬」「バンコマイシン散届出」

 

*初期研修医は届け出入力後、感染制御部へ電話連絡を行い、使用届に記載した入力内容について協議を行う。(時間外・休日については指導医・上級医と協議し、その内容を翌診療日に感染制御部へ電話連絡を行う。)

 

3)  薬剤部は、上記薬剤の処方があったら、カルテの届出用紙の記載を確認したのちに払い出す。

4)  感染制御部は、使用開始以降、バンドルを用いて使用が適正かどうかを検討し、必要に応じて助言・指導を行う。

■長期使用(1週間以上)の際に薬剤部から感染制御部に使用患者を報告するもの

 抗緑膿菌活性を有する注射用抗菌薬(ペニシリン系薬(ピペラシリン)・セファロスポリン系薬(セフタジジム・スルバクタム/セフォゾプラン)ニューキノロン系薬・アミノグリコシド系薬)

薬剤部から週1回感染制御部に使用患者報告するもの

  抗真菌薬(ミカファンギン・カスポファンギン・ホスフルコナゾール・ボリコナゾール・ポサコナゾール・

イサブコナゾール・リポソーマルアムホテリシンB注

処方に感染制御部の許可が必要なもの

1)   耐性菌感染症治療薬で高額な薬剤を当院では許可制薬剤として取り扱う。

2)   全病棟で下記抗菌薬を開始する場合、およびICUでカルバペネム系薬を開始する場合(既に使用されている患者がICUへ転棟する場合も含む)を対象とする。

薬剤名(商品名)

採用区分

適応菌種

保険適応上多剤耐性菌に適応菌種が限定されている薬剤

コリスチン

(オルドレブ®

院内採用

(用時)

大腸菌・シトロバクター属・クレブシエラ属・エンテロバクター属・緑膿菌・アシネトバクター属

チゲサイクリン

(タイガシル®

緊急

大腸菌・シトロバクター属・クレブシエラ属・エンテロバクター属・アシネトバクター属

カルバペネム系抗菌薬耐性グラム陰性菌に適応菌種が限定されている薬剤

イミペネム・シラスタチン・レレバクタム

(レカルブリオ®

院内採用

(用時)

大腸菌・シトロバクター属・クレブシエラ属・エンテロバクター属・セラチア属・緑膿菌・アシネトバクター属

セフィデロコル

(フェトロージャ®

院内採用

(用時)

大腸菌、シトロバクター属、肺炎桿菌、クレブシエラ属、エンテロバクター属、セラチア・マルセスセンス、プロテウス属、モルガネラ・モルガニー、緑膿菌、バークホルデリア属、ステノトロホモナス・マルトフィリア、アシネトバ クター属

その他( β-ラクタマーゼの関与が考えられる原因菌による感染症)

タゾバクタム・セフトロザン(ザバクサ®

院内採用

レンサ球菌属、大腸菌、シトロバクター属、クレブシエラ属、エンテロバクター属、セラチア属、プロテウス属、インフルエンザ菌、緑膿菌

 

3)  上記薬剤の使用が必要と判断した場合、処方医は電子カルテのe-kanja記録の文書テンプレートからASTコンサルテーション(初回)を入力のうえ感染制御部(内線 5708)へ相談、許可を得たのちオーダを行う(感染制御部からカルテ上許可制抗菌薬の投与を推奨された場合を除く)

(ただし、休日・時間外は翌診療日で可だが、処方医は感染制御部への時間外・休日の抗菌薬に関する相談フォームに症例の概要を入力すること)

4)   薬剤部はこれら薬剤が処方された際、感染制御部医師から該当患者への処方に対し許可が得られていることを確認の上、払い出しを行う。

 

 

MRSA薬の使用届

広域抗菌薬の使用届

●カルバペネム系薬 (チエナム®(イミペネム/シラスタチン)・フィニバックス®(ドリペネム)・メロペネム 『広域抗菌薬(カルバペネム系薬)使用届』

タゾピペ®(タゾバクタム/ピペラシリン) 『広域抗菌薬(ペニシリン系薬)使用届』

●セフェピム・ファーストシン®(セフォゾプラン)4世代セフェム系薬使用届』

1)院内紹介等で主科以外の医師が上記対象抗菌薬を必要と判断した場合、紹介元・紹介受け側で共有

し、双方ともに広域抗菌薬使用に対する根拠をしっかり確認の上で届け出を記載する。判断に迷う場合は感染制御部へのコンサルトを行う。

2)ICUでの届け出対象抗菌薬処方に関しては、必要と判断した医師が届け出を記載する。特にカルバペネム系薬を ICU で開始する場合、すでに開始されている患者が ICU へ転棟する場合は

必ず感染制御部(内線 5708)へ報告する(休日・時間外は翌診療日で可)。

3)届出内容が不適切な場合は該当医師へ感染制御部から注意喚起を行う。

 

2022101日以の改訂内容はこちらから確認ください

バンコマイシン散の使用届