職員の抗体検査と予防接種

 

麻疹・風疹・水痘・ムンプスワクチン

医療従事者は4種ウイルス抗体価が基準をみたしていることをあらかじめ確認しておく必要がある。既往歴だけでは不確実であり、予防接種歴があっても減衰している可能性がある。基本的には各種ワクチンを2回接種することが推奨されている。

新たに本院に勤務する職員(患者と接する可能性のある者)は、勤務時に免疫状態を書面で労務管理係へ提出する。

l  2回接種済みの職員はワクチン接種日について報告する(抗体検査の確認不要)

l  ワクチン接種歴が確認できない場合は抗体検査で確認を行う

陰性者は2回接種、陽性だが基準をみたさない場合1回接種し、その後の抗体検査は不要

基準をみたす抗体価で、次回抗体検査でも基準をみたす場合、その後の抗体検査は不要

基準をみたす抗体価

麻疹:EIA (IgG) 16.0以上 NT(中和法)18以上、PA(ゼラチン粒子凝集法)1256以上

風疹:HI 132以上、EIA (IgG) 8.0以上

水痘:EIA (IgG) 4.0以上IAHA(免疫付着赤血球凝集法)14以上、中和法14以上

ムンプス:EIA (IgG) 4.0以上

 

*これ以外の検査法や、必要予防接種回数の評価については、日本環境感染学会 「医療関係者のためのワクチンガイドライン第3版」を参照すること

http://www.kankyokansen.org/uploads/uploads/files/jsipc/vaccine-guideline_03-5.pdf

 

インフルエンザワクチン

本院の職員はすべて、毎年1011月に、インフルエンザワクチンを1回接種する。

B型肝炎ウイルスワクチン

新入職者や抗体陽性が確認されていない職員を対象に、年1回の抗体検査と陰性者への3回のワクチン接種を病院負担で行っている。

一度HBs抗体10mIU以上が確認された職員は、その後の抗体検査は不要である。ただし、曝露する機会の多い職員(透析室、外科、消化器内科、ICU、救急部など)では、毎年の抗体検査を推奨する。