2011年 第8版からの変更点

内容の大きな変更のあった項目

1)       抗菌薬の届け出・連絡

届け出対象薬が、すべての抗MRSA薬、カルバペネム系薬、ゾシンに拡大されました。

2)       アウトブレイク時の対応

同一病棟において新規に同一菌種による感染症の発病症例が計3例以上見られた場合は、アウトブレイクとして対策を開始します。

3)       感染対策についての説明

耐性菌の検出時や感染経路別予防策が必要な感染症がみられた場合は、説明文書を用いて患者への説明をお願いします。

追加項目

1)       MRSA監視培養検査

ICU入室者のMRSAの積極的監視培養が始まりました。他病棟でも、感染リスクの高い患者では、入院時に積極的監視培養をお願いします。

2)       CVカテーテル等挿入時のへパリン生食調剤

無菌的に閉鎖容器での調整をお願いします。

3)       ワクチン接種時の注意点

患者や職員への接種前にはご確認ください。

4)       口腔ケアチームの紹介

人工呼吸器関連予防や入院患者の口腔衛生のために、歯科に積極的に依頼しましょう。

5)       職員のインフルエンザ迅速検査 

勤務中に発症した場合、病院負担で検査を行います。職員への予防投与は中止し、投薬する場合は通常の保険診療となります。

6)       病原体別予防策と届出

それぞれの病原体別に予防策と届出の必要性をまとめました。

7)       潜在性結核感染症の保健所への届出

免疫不全者へのイソニアジド(INH)投与には、保健所への届出の必要性についてご検討ください。

8)       注射剤の調整法

無菌的調整方法を図示しました。

9)       腸管出血性大腸菌

症状から疑われるときは、O抗原型に関わらず志賀毒素検査を依頼してください。

10)    サージカルマスクを使用する場面

どのようなときにマスクが必要かご確認ください。常時着用はやめて、使用後はすぐに廃棄を。

11)    針刺し・切創事故対応の歯科の検査体制を追加しました。

歯科で事故が起きたら、歯科の医務課へすぐに電話連絡し、口腔外科外来で採血をしてください。

その他の更新項目

1)       院内感染対策指針の一部改訂

地域の病院間連携における指導的役割について記載。

2)       廃棄物の処理法(その他の注意点)

輸血用血液製剤は感染性廃棄物ですが、血漿分画製剤は原則として非感染性廃棄物です。

3)       感染病室入室についての変更

夜間帯の依頼では、直接歯科病棟感染病室担当看護師にご相談ください。

生理検査・放射線検査は基本的に病室で行ってください。

4)       職員の抗体検査・予防接種について

麻疹・風疹・水痘・ムンプスの抗体価が基準を満たさない職員は、随時ワクチン接種を行い、その後抗体価を再確認します。2回接種した方の抗体検査は不要です。麻疹・風疹では抗体陽性でも低値で基準を満たさない場合はワクチン接種が推奨されています。

5)       ウイルス感染症の免疫のない職員が感染患者と接触したときの対応

免疫がない場合は、発症が予想される時期には、就労できなくなる場合があります。

6)       感染症法による保健所への届出

主治医は届出用紙を医務課に送付すると同時に、カルテにスキャンをお願いします。

7)       抗菌薬適正使用

抗菌薬の排泄経路や移行性を具体的に記載しています。

8)       MRSA 

VCMなどの標準的トラフ値が上昇しています。またダプトマイシンの記載を追加しました。

9)       HIV針刺し事故時の予防内服 

予防内服が必要な時は同意書並びに薬剤交付票を薬剤部に提出してください。