発生の予防(事前に行うべき対策)

(1)     院外からの持込防止

1.    流行期には、担当医は入院予定患者にインフルエンザ様症状の出現に対する注意喚起を行い、また入院患者が来院した際は外来または病棟への入棟前に37.5℃以上の発熱、鼻水・鼻づまり、咽頭痛、咳などインフルエンザ様症状の有無、および1週間以内にインフルエンザ発症者との接触、鑑別を要する新型コロナウイルス感染症患者との接触歴・流行地域への訪問歴がなかったか確認を行う。

2.    流行期には入院患者の家族、面会者などの病室への入室にあたっては、上気道症状や発熱の有無についてスタッフステーションで確認する。

3.    インフルエンザの可能性がある場合は、事情を説明の上、入室を制限する。

4.    「咳エチケット」についてのポスターを病院入口、病棟入口に明示し、外来患者や面会者への「咳エチケット」の浸透を促す。

5.    来院者には必ずマスク着用(手作りマスクやハンカチ・スカーフ等の代用でも可)をお願いする。緊急の場合は、病院のマスクを提供する。

6.    鹿児島県内でインフルエンザの流行発生注意報が発令された場合は、家族以外の面会者に対して病室への入室制限を検討する。

(2)    流行期における新規入院患者と患者の外泊時の健康状態の把握

新規入院患者

1.   インフルエンザ様症状がある場合は可能であれば入院を延期し、入院の必要がある場合は個室隔離などの飛沫感染予防策を遵守する。

2.   1週間以内に家族や身近な人、同居者等でインフルエンザ発症者と接触があった場合は、タミフル等の予防投与や隔離を検討する。発症の可能性があるため、医療従事者は症状の有無の確認を行い、可能であれば入院を延期する。

患者の外泊時

1.   外出・外泊前にインフルエンザ感染予防について説明する。

2.   入院患者が外泊から帰院時には、健康状態を再確認する。

3.   流行期には、外泊中にインフルエンザ患者と接触がなかったかどうかについても問診を行い、接触があった場合はタミフル等の予防投与や隔離を検討する。

4.   外泊中にインフルエンザ症状が出現した場合は、事前に病棟に電話し指示を受けるように説明する。

5.   帰院後数日は発症の可能性があるため、医療従事者は症状の有無の確認を行う。

(3)     職員の健康状態の把握

1.   外部との出入りの多さから考えて、病院職員が病院にインフルエンザを持ち込む可能性が高い。

2.   日常からの健康管理と流水と石けんによる手洗いなどの衛生管理が重要である。

3.   インフルエンザを発症した家族や他職員と接触した場合は自身も発症するリスクがあることを考慮し、インフルエンザ様症状の出現に注意する。

4.   発熱(微熱も含める)や鼻汁・咳嗽・咽頭痛などの上気道症状を呈するときは、すみやかに病棟責任者に連絡し、マスクを着用し患者との接触をできる限り避ける。

5.   病棟医長・病棟師長は、流行期には所属職員のインフルエンザ様症状の有無を把握するよう努める。

(4)     職員へのインフルエンザワクチン接種

1.    医療従事者は、職員から入院患者への伝播を防ぐために、毎年1回ワクチンを接種する。

2.    病院で勤務する大学院生、ボランティア等にも当院でワクチンを接種する。実習学生にも原則として接種を義務付ける。

3.    予防接種の効果があるのは、おおむね接種2週間後から5か月間と言われており、通常の流行期は1〜2月であることから、接種時期は10月下旬〜11月中旬に行う。

4.    職員のインフルエンザワクチン接種の費用は全額病院が負担する。

5.    正規の職員以外でも、患者と常時接触する者はワクチンを接種する。

(5)     患者へのインフルエンザワクチン接種

1.    病棟責任者(病棟医長・病棟師長)はすべての入院患者で心肺系の慢性疾患、糖尿病、腎疾患、免疫不全状態等の有無を確認し、あらかじめインフルエンザに罹患した場合のハイリスク群について把握しておく。

2.    65歳以上の者および60歳以上または65歳未満の者であって心臓、腎臓もしくは呼吸器の機能障害を有するもの、免疫抑制状態にあるものに対する予防接種はとくに勧められており、予防接種の意義、有効性、副反応の可能性、かかる費用等を十分に説明して同意を得た上で、自費でワクチンを接種することが望ましい。

3.    ワクチン接種予定者は、あらかじめ1週間前に医務課に予約する(費用の確認のため)。医務課は問診表等を準備し、接種予定者と調整を行う。調整終了後、主治医へ報告する。

4.    主治医はThinkで接種当日に注射処方をして薬剤部で受け取り、病棟で接種する。

5.    ワクチンは自費診療であり、電子カルテ左上の「保険自動設定」を「自費」に変更して処方する。

6.    接種前に必ず予診票の記載を確認する。

7.    外来患者は、基本的には当院ではなく近医で接種してもらう。ただし、主治医が当院での接種が必要と判断する場合は、各自外来で接種できる(上記Bの手続きが必要)。保険診療を伴う場合は、混合診療を防ぐため医務課で保険診療の計算を終了の上、自費診療を開始する。

8.     接種時期は12月初旬までに行うことが望ましい。

(6)     付き添い家族へのワクチン接種

付添い家族については、基本的には地域の医療機関での接種をすすめるが、医師が必要と判断した場合は病棟で取りまとめ、本院において自費で接種できる。

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