流行性耳下腺炎(ムンプス)

飛沫予防策を行う。

潜伏期は概して1618日であり、最短12日から最長25日である。

発症12日前から耳下腺腫張出現後5日間は感染力が強い。

ウイルスは耳下腺腫脹後9日間分離される。

病棟でムンプスが発生した場合

1)ただちに病棟医長または病棟師長に連絡し、病棟医長または病棟師長は感染制御部に連絡する。(夜間は翌朝で可)

2)発症した患者

可能なら退院し、外来管理とする。退院できない場合、個室隔離とし飛沫感染予防策を耳下腺腫脹後9日間行う。

3)接触者の取り扱い

@       当該部署のリスクマネージャーは発症12日前からの発症者と密接な接触や近くで会話をした抗体陰性者(弱陽性を含む)をリストアップする。同室の患者、職員、付き添い者、さらに検査移動などで明らかに当該患者と接触した他の患者、あるいは他部門の医療者も対象とする。

A       また当該部署のリスクマネージャーは所属職員・実習学生等の免疫状態を確認し、感受性職員・実習生との接触をさける。

B       ワクチン接種歴がある場合、通常と同様に扱う。病歴からムンプスへの免疫が確認できない場合は、ムンプスIgG抗体(EIA法)を測定する。

C       ムンプスに感受性がある患者は、発症予想日(接触後1225日)まで隔離が望ましい。

D       ムンプスに感受性がある職員・実習生は接触後12~25日まで勤務・実習を停止する。

E       曝露早期のワクチンによる予防や免疫グロブリンの投与による発症予防効果については明確でない。

外来にムンプス患者が受診した場合

1)     外来特殊診察室に誘導し、優先診療を行う。

2)     1m以内で接触した患者のリストを作成し罹患歴と予防接種歴を確認する。

3)     感受性がある患者には、1618日後に発症する可能性があることを説明し、発症時は医療機関受診を勧める。

職員・実習生がムンプスを発症した場合

リスクマネージャーへ報告し、耳下腺腫脹後5日まで勤務・実習を停止し、以降腫脹後9日まではサージカルマスクを着用し手指衛生を励行する。