帯状疱疹

水痘・帯状疱疹ウイルス(varicella-zoster virus)の潜伏感染による。

通常の帯状疱疹は接触予防策で十分であるが、免疫不全者では播種性(全身性、基準として3分節以上)になる場合があり、さらに空気予防策が必要となる。

水痘に感受性のある人は帯状疱疹患者と接触後に水痘を発症する可能性があり、潜伏期は多くは1416日、最短10日から最長21日である。

免疫不全者が発症すると致死的となるため、厳重な対策が必要である。

通常の免疫状態の患者の帯状疱疹

接触予防策をとる。

周囲に水痘に感受性のある免疫不全患者がいる場合は、直接的な接触がないように配慮する。

また当該部署のリスクマネージャーは所属職員・実習学生等の免疫状態を確認し、水痘の免疫がない者は帯状疱疹患者との接触をさける。リスクマネージャーは感染制御部に連絡する。

免疫不全者の発症または播種性(全身性)の帯状疱疹の場合

播種性帯状疱疹のハイリスクとなる免疫不全者

l  血液・悪性腫瘍患者

移植後、化学療法中の白血球減少状態(<1,000

l  免疫抑制剤使用

高容量ステロイド(プレドニゾロン換算 20 mg/日または2 mg/kg/日以上を2週間)、タクロリムスなど

l  生物学的製剤使用

1)病棟医長または病棟師長に連絡し、病棟医長または病棟師長は感染制御部に連絡する。(夜間は翌朝で可)

2)発症した患者

空気および接触予防策を行う。感染症病室での隔離が望ましいが、不可能な場合は病棟で個室隔離とする。播種性帯状疱疹の発症時は感染症病室等で空気予防策を行う。

3)接触者の取り扱い

播種性帯状疱疹の発症時は水痘と同様に対応する。

職員・実習生が帯状疱疹を発症した場合

発症者はリスクマネージャーに報告する。リスクマネージャーは感染制御部に連絡する。全身状態が良く、患部が限局していれば、しっかりと被覆し、手指衛生を心がければ勤務は可能である。小児等、水痘に感受性のある患者や化学療法などで免疫不全にある患者への対応は極力避ける。NICUC6階病棟で勤務する職員が発症した場合、痂皮化するまで患児と直接接触する業務を行わないよう配慮する。すでに接触した場合は、アシクロビル・バラシクロビルの予防投与が必要となる場合がある。