病院紹介

先進医療

本院では、厚生労働省の承認を受けて、下記の先進医療を実施しております。

また、特定承認保険医療機関として鹿児島県知事の承認を受けており、その費用の一部については保険適用外併用療養費(保険適用)として取扱うことができます。 先進医療に関しましては、実施診療科窓口までお問い合わせ下さい。

先進医療とは

「厚生労働大臣が定める高度の医療技術を用いた療養であって、保険給付の対象とすべきものであるか否かについて、適正な医療の効率的な提供を図る観点から評価を行うことが必要な療養」として、厚生労働大臣が定める「評価医療」の1つとされています。

  1. 「先進医療に係る費用」は、患者さんが全額自己負担することになります。
  2. 「先進医用に係る費用」以外の通常の治療と共通する部分(診察・検査・投薬・入院料等)の費用は、一般の保険診療と同様に扱われます。つまり、一般保険診療と共通する部分は保険給付されるため、各種健康保険制度における一部負担金を支払うこととなります。

医科

令和5年4月1日現在

 インターフェロンα皮下投与及びジドブジン経口投与の併用療法 成人T細胞白血病リンパ腫(症候を有するくすぶり型又は予後不良因子を有さない慢性型のものに限る。)
先進医療の概要 対象症例は、くすぶり型と慢性型成人T 細胞白血病リンパ腫(ATL)に対してIFNα/AZT 療法群とWatchful waiting群の2群に無作為割り付けを実施。主要評価項目として無イベント生存期間を両群で比較する多施設共同無作為割り付け試験。組み込み予定症例は片群37例、両群74例。登録期間3年、追跡期間2年、総試験期間5年である。IFNα/AZT 療法群に割りつけられた症例には、レトロビル(R)カプセル(600 mg)を連日経口投与する。また、IFNαとしてスミフェロン(R)注DS 300万単位を1サイクル目には1日1回連日皮下投与し、day8から600万単位に増量する。2サイクル目以降はday1から600万単位を投与する。1治療サイクルを28日(4週)とし、 第4治療サイクルからはレトロビル(R)カプセル(400 mg)を連日経口投与、スミフェロン(R)注DS 300万単位を連日皮下投与に減量する。当初10日間入院し、以後外来治療を増悪または毒性中止まで継続する。この間、2週毎に外来受診し、日和見感染予防薬の連日内服と定期的な診察と血液/画像検査を行う。
先進医療に係る費用
(全額自己負担)
患者負担は生じない
承認年月日 平成27年4月1日
実施診療科 血液・膠原病内科
 S-1内服投与並びにパクリタキセル静脈内及び腹腔内投与の併用療法 膵臓がん(遠隔転移しておらず、かつ、腹膜転移を伴うものに限る。)
先進医療の概要 他臓器に遠隔転移のない画像上局所進行膵癌に対して審査腹腔鏡検査もしくはバイパス手術を行い、腹膜播種や腹腔洗浄(腹水)細胞診陽性を病理学的に診断する。腹腔内投与ルート作成のために、腹壁ポートを留置する治療開始後21日間を1コースとし、S-1は80mg/m2を14日間内服、7日間休薬。パクリタキセルは第1, 8日目に50mg/m2を経静脈投与、20mg/m2を腹腔内投与。1週間休薬後コースを繰り返す。プロトコールを遵守して、治療を継続する。病勢悪化、重篤な有害事象、患者の希望などのあるときにはプロトコール治療を中止もしくは終了する。試験期間中に根治切除が行われた場合、術後も当該治療を継続する。
先進医療に係る費用
(全額自己負担)
1患者1コースあたり 34,927円
承認年月日 令和4年4月1日
実施診療科 消化器外科
糖鎖ナノテクノロジーを用いた高感度ウイルス検査
先進医療の概要 ウイルス(インフルエンザウイルスA型、B型)を対象とし、未承認の検査用試薬として供給されている糖鎖を固定化した磁性金ナノ粒子(SMGNP)で処理したもの)を使用して、遺伝子を定量的リアルタイム PCR により測定する。検体(唾液、または鼻汁、または喀痰)を等張リン酸緩衝液で希釈し、SMGNPを加える。SMGNPは固定化されている糖鎖を介してウイルスに結合し、磁力により分離する。分離したウイルスとナノ粒子の混合物にSDS(高性能石けん水)を加えてウイルス粒子を破壊し、遊離してくる遺伝子を定量的リアルタイムPCRで検出する。なお、患者診療時には、患者が発熱などのインフルエンザ症状が現れてから診断するまでの時間を記録する。保険診療として医師の判断によってイムノクロマト法である迅速診断キットを用いても検査する。
先進医療に係る費用
(全額自己負担)
1回あたり 2,000円
承認年月日 平成30年1月1日
実施診療科 感染制御部
腹腔鏡下センチネルリンパ節生検 早期胃がん
先進医療の概要 本試験は術前診断T1N0m0、腫瘍長径4cm以下と診断された単発性の早期胃癌症例を対象として、「SNをLN転移の指標とした個別化手術群」を行い、その根治性・安全性を検証する第Ⅱ相多施設共同単群試験である。すべての症例にSN生検を行い、術中SN転移陰性の場合にはSN流域切除を原則とした縮小胃切除(噴門側胃切除、幽門保存胃切除、胃部分切除、分節切除)を行って「縮小手術群」(A群)とする。流域切除範囲によって縮小手術が困難な場合には従来通りの胃切除術(幽門側胃切除術・胃全摘術)(B群)を実施する。また、SN転移が陽性の場合にはD2LN郭清と定型胃切除(幽門側胃切除・胃全摘術)(C群)を行う。Primary Endpointは5年無再発生存割合、Secondary EndpointsはSN同定率、転移検出感度、3年無再発生存割合、3年・5年全生存割合、術後QOLとする。Primary Endpointすなわち個別化手術の根治性・安全性の評価は、本試験登録A~C群(個別化手術群)の手術成績とこれまで報告されてきた同じ早期胃癌に対する手術成績を比較し、A群のみの部分集団での予後についてもSecondary Endpontとして同時に検証する。術後QOLに関しては「個別化手術群」内での比較も行う。
先進医療に係る費用
(全額自己負担)
1患者1回あたり 43,330円
承認年月日 平成28年7月1日
実施診療科 消化器外科
テモゾロミド用量強化療法 膠芽腫(初発時の初期治療後に再発又は増悪したものに限る。)
先進医療の概要 初回再発および増悪膠芽腫に対して、用量強化テモゾロミド療法とその再発後のベバシズマブ療法の優越性を標準治療であるベバシズマブ療法とのランダム化比較試験にて検証する。
■ A群(ベバシズマブ療法群)
14日(-1日~+3日以内)を1コースとしてベバシズマブ10 mg/kgをday 1に静脈内点滴
注射、中止規準に該当するまで継続する。
■ B群(用量強化テモゾロミド、再発後ベバシズマブ療法群)
1) 一次治療
Day1~7テモゾロミド120 mg/m2/day、1日1回内服投与
14日(-1日~+3日以内)を1コースとして最大48コース繰り返す。
*3コース目に増量規準を満たした場合150 mg/m2/dayに増量する。
2) 二次治療
・一次治療完了後、または原病の増悪以外による一次治療中止後で、増悪を認めない場合は増悪を認めるまで無治療経過観察とする。
・一次治療完了後、または原病の増悪以外による一次治療中止後、MRI画像上で再発・増悪が認められた場合、二次治療としてベバシズマブ療法を行う。
・ベバシズマブの投与方法は、A群での治療法と同じ投与方法とする。
・ただし、再発・増悪後の治療のため、コース開始規準はA群とは異なる。
14日(-1日~+3日以内)を1コースとしてベバシズマブ 10 mg/kgをday 1に静注する。
先進医療に係る費用
(全額自己負担)
1患者48コースあたり 14,678,019円
1患者48コースあたり (93,120円)
承認年月日 平成29年2月1日
実施診療科 脳神経外科