■HIV
(Human Immunodeficiency virus) |
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鹿児島県でもHIV陽性患者の増加がみられており、当院はHIV中核拠点病院でもあり、HIV診療の機会が増えている。 |
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■HIV検査についての同意書 |
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診療上検査が必要な場合、妊婦の検査を行う場合は、検査の目的、偽陽性の可能性等を説明し、患者本人から同意書をもらい保存、または口頭同意取得したことをカルテに記載する。同意書は以下からダウンロードしてください。 (参考資料) HIV検査の実施について(厚労省通知 平成5年7月13日) 1) 患者本人の同意を得ること。 2) 患者本人が意識不明である等により同意がとれない状況においては、医師の判断によってHIV検査を実施することも認められる。 3) 小児患者に対しては、保護者の同意をえること。 妊婦におけるHIV検査でも説明と同意が必要とされている(HIV母子感染予防対策マニュアル第6版) |
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■血液・体液曝露予防 |
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曝露予防の基本は標準予防策の遵守である。 |
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(1)看護ケア物品の取り扱い |
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他の患者と同様でかまわない。ただし他の経路別予防策を要する感染症の合併や病原体の検出時や、下痢・出血症状がある場合、中枢神経系症状により身辺の清潔を保ち難い場合等では個室の利用も考慮する。 |
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(2)病室の決定について |
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1)普通の接触では感染しないため原則的には一般患者と同様 2)個室収容の判断基準 @ 全身状態が不良の場合 A 飛沫感染のおそれのある合併症(結核など)を持つ場合、重症の下痢の場合 B 抗HIV治療薬や日和見感染症の治療により骨髄抑制のある場合 C 免疫機能低下が顕著で日和見感染をきたす可能性のある場合 D 中枢神経の症状による異常行動など身辺の清潔を保ち難い場合 E ヘルペス、カポジ肉腫などの出血があり、大部屋では好ましくない場合 F 血液製剤感染及びその二次感染の患者の場合 |
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■血液・体液曝露時の対応 |
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必要な検査等は針刺し・切創事故への対応を参照 |
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曝露後の最初の対応は局所洗浄である。血液または体液に曝露された創部または皮膚は石鹸と流水によって十分に洗浄する。ポビドンヨードや消毒用エタノールを使用してもよいが、その効果は確立されていない。粘膜は流水で十分に洗浄すべきである。口腔粘膜の汚染ではポビドンヨード含嗽水によるうがいを追加してもよい。 有効な感染予防のためには可能なかぎり速やかな第1回目の服用(1〜2時間以内)が最も大事と考えられる。 曝露後予防は、 デシコビ(テノホビルとエムトリシタビンの合剤)1錠1日1回、アイセントレス1錠1日2回 (妊婦はエプジコム(アバカビルとラミブジンの合剤)1錠1日1回、アイセントレス1錠1日2回) を第1選択とする。 耐性HIVの可能性が想定される場合、併用薬がある場合は専門医と相談の上レジメンの修正を行う。 |
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<参考> 他院での針刺し時の抗HIV薬の配布についての当院の連絡先 時間内 医務課医事企画係 099−275−5145 時間外 薬剤部当直室(又は) 099−275−5550 時間外当直室 099−275−5195 ※ 時間外は窓口から調剤室へ案内を行う。 ※ 時間外窓口に従事する者に対しては、説明会を行うことで周知する。 尚、時間外で薬剤部に直接連絡があった場合は、他院から対象者が来る旨を時間外当直室に連絡する。 |
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■HIV曝露後予防の経過観察 |
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被曝露者の抗HIV抗体は、曝露直後を含めて曝露から1ヵ月後、3ヵ月後、6ヶ月後、および12ヶ月後に検査することが望ましく、少なくとも6ヶ月後までは経過観察する。血中HIV RNA検査は曝露からの時間に関係なく急性HIV感染症の症状が認められた場合にも施行する。 急性HIV感染症 HIVに感染してから、通常2〜4週間の潜伏期の後に、40〜90%の感染者は表に示すような何らかの急性感染症状を呈する。急性HIV感染症が疑われる場合は、血中HIV RNA検査を行う。 主要な臨床症状
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■HIV感染のリスクに関する基礎知識 |
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(1)感染経路 主な感染源は血液、性液(精液・腟分泌液)、母乳であることより感染経路は 1) HIV感染者との性交渉 2) 汚染血液の輸血、汚染した注射器・針、手術用具等による感染 3) HIV感染者の妊娠、出産による母児感染、母乳による母児感染 以下のようなことからは感染しない 1) 皮膚の接触(抱擁、握手など) 2) 軽いキス 3) プールや風呂の共用 4) 洗濯機の共用 5) 衣類やシーツの共用 6) コップや箸の使いまわし、同じ皿の物を食べる(鍋など) 7) 蚊などの昆虫 8) 動物(ペット) 9) トイレの共用 * 唾液、汗、涙、鼻水、尿、便の中にもウイルスは含まれているが、ごく微量なので、これらは感染源にはならない。また、血液、性液、母乳も1000倍以上に薄まると感染力を失う。従ってプールや風呂でのごく少量の出血なども感染源にはならない。 (2)感染力の比較
ここに示す数値はあくまで確率であり、1回の事故でも感染は成立する可能性を持つ。 |