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先輩の声

患者さんと向き合い、 言葉や表情、雰囲気から感じ取る。
その積み重ねが、医師としての成長につながります。

前田 光喜先生
呼吸器外科/鹿児島大学病院 臨床研修センター

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Q1自己紹介をお願いします。

私は消化器・乳腺甲状腺外科を経て12年目に呼吸器外科へ転科し、現在は肺癌手術や気道疾患の治療を中心に診療しています。
実は学生の頃、外科にはまったく興味がなく、精神科・呼吸器内科あたりを考えていました。そんな私が外科の道に進んだのは、桜島プログラム1期生としてさまざまな病院・診療科を経験したことがきっかけです。あの2年間はその後の医師人生の大きな指針となり、今の自分をつくってくれました。
趣味は毎年リニューアルしていて、最近はサッカーやトレイルラン、英検受験を始めたりマラソンに向けたランニングをしたりして遊んでいます。

Q2鹿児島大学病院の初期研修プログラムの特徴・強みは何ですか?

鹿児島大学病院の研修の特徴は、各病院の“美味しいところ取り”が本当にできることだと思います。

大学病院や市中の専門病院では、高度な医療を学ぶだけでなく、学会や研究の最前線で活躍する先生方と出会うことができます。日本中・世界中の医師とつながり、広い視野を持って医師として成長していくための“切符”を手に入れられる場所です。研究をライフワークの一つにしたい人にとっても、ここでの研修は大きな助けになるでしょう。

一方で、県内には地域医療に献身し、患者さんに寄り添った診療を実践されている素晴らしい先生方もたくさんいらっしゃいます。大学病院では得られない視点や価値観に触れることができ、医師としての土台がより大きく広がります。

何事もバランスが大事で、幅広い経験を積めることこそが、このプログラムの最大の強みだと感じています。

Q3研修医を指導する上で、大切にしていることは?

私が最も大切にしているのは、「患者さんをしっかりみること」です。
電子カルテを見て、手術や処置だけをこなしていても医師の仕事は成り立ってしまいます。しかし、それだけでは大事な視点を失った医師になってしまいます。

現場で患者さんと向き合い、言葉や表情、雰囲気から「何を感じているか」「どんな思いを抱えているか」をたくさん感じてほしいと思います。

そして、成功体験を積んでほしい。採血がうまくできた、患者さんの訴えに指導医より先に気づけた――そんな小さなことでもいいんです。少しでもできたら、一緒に大いに喜びましょう。そこから研修医の成長は本当に加速します。

Q4研修医の成長を感じるのはどんなときですか?

看護師さんから指導医に電話が来なくなったとき。
そして、回診のときに患者さんの視線が自然と研修医に向けられているとき。

この2つの瞬間に、私は研修医の先生の成長を強く感じます。

研修医は未熟なところもありますが、誠実に一生懸命がんばる姿勢は必ず周囲に伝わります。次第に看護師さんは研修医へ直接声をかけるようになります。患者さんも「普段一番話を聞いてくれる先生」の方を向きます。

この変化は、医師としての信頼が芽生えつつある証です。 。

Q5医学生へのメッセージをお願いします。

私が研修医のとき、オーベンの安楽先生に2つの言葉をいただきました。

  1.  「日々の仕事のうち、9はしんどくてしたくないこと。でも、その1の“やりたいこと”をするためにやるんだよ。」
  2.  「自分の可能性を自分で決めないように。できないと思わなくていいから、自分の好きなようにやってごらん。」

当時はよく分かりませんでしたが、今になってようやく意味が分かるようになりました。
医学生の皆さんも、気がつけばすぐに私たちのような“おじさん・おばさん医師”になります。どうせ医師として生きていくなら、その時間を大いに楽しんでほしいと思います。 同期も先輩も、皆さんのように悩みながら学生・研修医の時代を過ごしていました。それぞれいろんな道に進んでいますが、どんな医師になっても大丈夫。

医師人生は長いようで短い。あっという間に、皆さんも私たちと同じ年代になっています。

その時、胸を張って「医師になってよかった」と思えるような毎日を、ぜひ自分の手でつくってください。

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