センター長あいさつ

鹿児島大学病院看護師特定行為研修センターを開設しました

鹿児島大学病院が特定行為研修の指定研修機関に平成28年8月4日に厚生労働大臣から指定を受けました。
私たち鹿児島大学病院では、この看護師の特定行為研修の指定研修機関として、平成28年10月に開講しました。


看護師特定行為研修センター センター長あいさつ

垣花 泰之

 鹿児島大学病院では、2016年10月から看護師の特定行為研修を開始しています。特定行為研修を修了すると、高度かつ専門的な知識・技能を必要とする特定領域の医療行為を手順書に基づいて行うことが出来るようになります。この制度ができた背景には、2025年問題1)があります。この問題の解決策の一助として、特定行為に係る看護師の研修制度2)が創設されました。その活動推進のため、国は一部の診療報酬の算定に看護師特定行為修了者の関与を加えました(2018年3月30日)3)。また、看護師特定行為研修の内容及び時間数の精錬化(時間数の減、簡素化)を行いました(2019年4月26日)4)。さらに、実施頻度の高い特定行為のパッケージ化5)を提案し大きな動きを見せています。2025年までに10万人の特定行為研修修了者を輩出するという国が掲げた目標達成には未だ多くの課題がありますが、特定行為に係る看護師の研修制度の推進事業は全国的に動きだしており、これまで以上に確実に進んでいくものと思います。
 特定行為研修を修了した看護師は、高度かつ専門的な知識と技術をもち、チーム医療のキーパーソンとして役割を発揮することができるようになるため、特定行為研修修了生を育成することで、(1)「患者にとって」は、早期対応により重症化を回避でき、(2)「医師にとって」は、診療の効率化とともに、過重労働の改善に繋がり、(3)「医療機関において」は、在院日数の短縮、医療費の抑制などが期待され、(4)「地域において」は、在宅医療の充実だけでなく、離島やへき地などのアクセスが悪い場所でも適切な医療を提供することが可能になるものと期待しています。特に、医療資源の少ない離島・へき地を多く抱える鹿児島県においては、特定行為研修を修了した看護師の育成は、地域医療の問題を解消する大きな柱になるはずです。
 鹿児島大学病院は、「21世紀に輝く心豊かな医療人による安心・安全・高度な医療を目指す」という理念を掲げており、特定行為研修を通じて「看護のこころ」と「医学の知識」をバランスよく兼ね備え、安心・安全・高度な医療を行える看護師の育成に努めていきたいと考えています。

 キャリアアップを目指したい、地域医療で活躍したいと考えている看護師のみなさんは是非、鹿児島大学病院の看護師特定行為研修に応募してください。私たちは、みなさんの夢を叶えるために、全力を尽くします。一緒に頑張っていきましょう。

看護師特定行為研修センター長
垣花 泰之

 

参考:
1) わが国の団塊の世代が75歳以上となる令和7年(2025年)には、1人の高齢者を1.8人で支える超高齢化社会となる
2) 保健師助産師看護師法第37条の2第2項第1号に規定する特定行為及び同項第4号に規定する特定行為研修に関する省令 (2015年10月1日施行)
3) 診療報酬と看護師特定行為研修に関して診療報酬の算定方法の一部改正(平成30年3月30日)、(1)特定集中治療室管理料1及び2の施設基準、(2)糖尿病合併症管理料、(3)糖尿病透析予防指導管理料、(4)在宅患者訪問褥瘡管理指導料
4) 特定行為研修に関する省令の一部改正(平成31年4月26日)、 (1)共通科目時間数315時間→250時間(基礎教育部分、他の共通科目との重複部分削減)、(2)区分別科目時間数削減(削減時間数は各区分毎により異なる)
5) 実施頻度の高い特定行為のパッケージ化、(1)在宅・慢性期領域、(2)外科術後病棟管理領域、(3)術中麻酔管理領域

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