私は、鹿児島大学 大学病院歯科医療B1プログラムで、矯正歯科、顎顔面外科、歯科総合診療部、保存科をローテーションしながら研修させていただきました。私は鹿児島県出身ではないうえに、他大学出身で最初は先生方や研修医のみんなとうまくやっていけるか非常に不安でした。いざ研修が始まってみると先生方や研修医のみんなが本当に優しくて、1年間の研修を終える頃には、鹿児島大学出身だと勘違いされるほど、すっかり馴染んでしまいとても楽しい研修医生活を送ることができました。もちろん、研修をさせていただく中で、出身大学との違いにとまどったり、大変なことも多々ありましたが、その分様々な考え方や術式を学ぶことができ、歯科医療に対する視野を広げることができたと感じています。研修中は、自分の未熟さや勉強不足、医療人としての自覚の甘さを痛感し、時にはミスをして指導医の先生に指導を受け、落ち込む日もありました。しかし、研修医控室に戻れば、研修医のみんながいて、悩みや愚痴を話し、互いに励ましあい、同じ立場の仲間達と共に成長することができました。今振り返ってみると、研修医という立場は、本当に恵まれた立場だったと思います。研修医として、勉強させていただけるのは、1年間という非常に限られた時間しかありませんし、研修医の時にしか学べないことがたくさんあると思います。そんな貴重な研修医時代を鹿児島大学病院で過ごすことができ、私は本当に良かったと思っています。

最後になりましたが、いつも貴重な時間を割いて熱心なご指導を頂いた指導医の先生方には心から感謝の気持ちと御礼を申し上げます。

 

私が選んだ研修のコースは協力型施設の長期コースでした。全てを終えて振り返ってみると、非常に良い選択だったのではないかと思っています。普通と比較して非常に多くの、様々な症例を経験することができたからです。このコースの一番のメリットはそこではないかと思います。ただしもちろんデメリットもあります。例えば症例数が多いということは、一症例にかけられる時間がそれだけ短いということです。初めのうちはそこに戸惑うかもしれません。

ただ個人的には、たくさん診療できる喜びの方が大きくて、この点はあまり気になりませんでした。また、このコースを選ぶ際にも勇気がいると思います。

住居や新しい環境、人間関係などを考えると、なかなか選びにくいかもしれません。この点は、見学に行き、病院の方と相談することで、早めに方向性を決められれば、多少は楽になるかも知れません。

結論を言うと、非常にエネルギーがいるコースですが、それだけ自分の為になる、ということです。将来臨床家になりたいのであれば、良い選択肢だと思います。

平成23年度修了 今西直人

私は、Bプログラムの研修で小児歯科、冠ブリッジ科、口腔顎顔面外科を選択しました。できるだけ多くの専門診療科をまわって研修したいと考え、3つの科を選択しました。
3か月というのは長いようで短く、あっという間に終わってしまいます。1つの科に慣れたころに次の科をまわる時期が来てしまったり、一人の患者様を長期間診ていくことが難しかったりということもありましたが、3カ月間一つの分野をじっくりと勉強できること、多くの症例を診られることは大きなメリットだと思います。
自分は様々な科を見ることで自分の将来像についても考えることができ、研修が始まった頃とは興味も変わり、進路にも大きく影響を与えた一年となりました。とても充実した研修だったと思います。

平成23年度修了 前野孝枝

私が鹿児島大学臨床研修を経験して感じたことを以下に述べたい。

臨床研修は、国家試験に合格し学生から1人の社会人また医療人としてスタートする貴重な時期である。行う処置方法が頭ではわかっているつもりでも、実際の診療現場では思い通りに手が動かない。と同時に患者の微妙な変化や状態を瞬時に把握し、声をかけ治療に対してリラックスを心がける必要があるといった、いくつもの高いハードルの存在に気づかされた。その度に私は頭が真っ白くなったが、経験豊富な指導医からの的確なアドバイスにて助けて頂いた。その時またはその後診療に対して、どこが良くないから上手くいかなかったのか、またあれは良かったからそれを続けなさいといった具体的な指導があり、その度に自分なりに反省し、復習さらには練習を行い少しずつではあったが、診療が自分なりのペースを保ちつつ行えることができるようになっていった。

また診療の際の反省や練習は、同期である多くの研修医とディスカッションを重ね、勉強し切磋琢磨を行える環境があり、大変貴重な経験をした研修だと今でも思う。そしてそのことが、現在の自分の診療の基礎となっていると私は思っている。

平成22年度修了 松本幸三

私は、鹿児島大学病院歯科総合診療部で研修後、薩摩川内市にある歯科医院に勤めています。
所属していたコースは1年間歯科総合診療部に所属し続けるコースで、一人当たりにかけられる時間は多く、治療計画立案等の今後の基本となる事は深く学べたと思います。
それらを元に歯科医院へ勤め始めましたが、時間の流れに圧倒させられたのが現実です。必ず当たる壁だと思いますが、大学病院と一般開業医との違いを認識した上で診療に臨まなくてはなりませんでした。慣れるまでは、一つ一つが必死で余裕がありませんでしたが、次第に患者さんのために診療を行うにはどうしたら良いかを念頭に置きながら診療を行えるようになってきました。

診療においては、時間の制限と高度な医療の両立。そして、医療サービスの面からは、患者さんに対する姿勢、接遇が重要である事を再認識しつつ毎日を過ごしています。
大学では、まず一人で行うことはないインプラント治療も、開業医では研修終了後といえども、チャンスがあれば行うこともできます。

研修修了後からは、自己研鑽する姿勢が最も必要とされると思います。ミスはカバーしてもらえるかもしれませんが、開業医は教えてもらえる環境ではなく、自分自身から進んで勉強しないと置いていかれます。歯科において、いかに自分を高みに持っていくか、これを念頭に置くことで自分の未来も開けると思います。

平成22年度修了 新井孝男

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