私が鹿児島大学臨床研修を経験して感じたことを以下に述べたい。
臨床研修は、国家試験に合格し学生から1人の社会人また医療人としてスタートする貴重な時期である。行う処置方法が頭ではわかっているつもりでも、実際の診療現場では思い通りに手が動かない。と同時に患者の微妙な変化や状態を瞬時に把握し、声をかけ治療に対してリラックスを心がける必要があるといった、いくつもの高いハードルの存在に気づかされた。その度に私は頭が真っ白くなったが、経験豊富な指導医からの的確なアドバイスにて助けて頂いた。その時またはその後診療に対して、どこが良くないから上手くいかなかったのか、またあれは良かったからそれを続けなさいといった具体的な指導があり、その度に自分なりに反省し、復習さらには練習を行い少しずつではあったが、診療が自分なりのペースを保ちつつ行えることができるようになっていった。
また診療の際の反省や練習は、同期である多くの研修医とディスカッションを重ね、勉強し切磋琢磨を行える環境があり、大変貴重な経験をした研修だと今でも思う。そしてそのことが、現在の自分の診療の基礎となっていると私は思っている。
平成22年度修了 松本幸三