鹿児島大学病院からのお知らせ

膵がんの医師主導治験開始について

 鹿児島大学病院では、6月22日より、がん治療薬として独自に開発を進めている腫瘍溶解性ウイルス「サバイビン反応性m-CRA-1」を用いた膵がんの医師主導治験を開始しました。
 膵がんは切除不能のケースが多く、化学療法の選択肢も少ない傾向があり、5年生存率は10%と他のがんに比べても低いのが特徴です。
 治験は、井戸章雄教授(消化器内科)、橋元慎一講師(光学医療診療部副部長)らが中心となって行い、2年間で24人を対象に安全性と有効性を評価し、実用化を目指すものです。
 6月30日に記者発表を行い、井戸教授は「難治性のがんで苦しむ患者さんの希望となれるよう、治験の成功に向けて尽力したい。安全性を確認しながら、慎重に進めていきたい。」と熱意を語られました。
 なお、「サバイビン反応性m-CRA-1」は、小戝健一郎教授(遺伝子治療・再生医学)が独自に開発した遺伝子組み換えウイルス医薬で、がん細胞のみを破壊し、正常な細胞には機能しないため、副作用が少ないとされています。


      (写真)記者発表の様子
           左から、小戝健一郎教授、坂本泰二病院長、井戸章雄教授、橋元慎一副部長