喉頭がん
1.診療体制
耳鼻咽喉科・頭頸部外科で取り扱っているがん
喉頭はいわゆる「のどぼとけ」にあたる部位で、主に発声、誤嚥防止、気道の確保の3つの働きがあります。解剖学的には声門上、声門、声門下の3部位にわかれます。発声に必要な声帯のある部分を声門といい、それより上方を声門上、下方を声門下と呼びます。声門下がんは極めて稀で、ほとんどが声門がん(60-70%)、声門上がん(30-40%)です。声門がんでは、早くに声がれの症状がでるため、早期の段階で診断されることが大半です。一方で、声門上がん、声門下がんでは声がれの症状が出にくく、頸部のリンパ節転移による首の腫れで気づかれることも少なくありません。
2.診断
耳鼻咽喉科・頭頸部外科における診断体制
喉頭鏡という小さな鏡を用いて喉頭を観察します。さらに、内視鏡を用いて詳細に観察します。
そのうえで、がんの組織検査と広がりの検査を行います。
広がりについては、超音波、CT、MRI、PETを用いて腫瘍の範囲やリンパ節転移の有無を調べ、進行度を判断します。
3.治療
耳鼻咽喉科・頭頸部外科で取り扱う治療(手術・集学的治療等)
喉頭がんの治療は放射線治療、手術が中心となります。
抗がん剤治療(化学療法)を組み合わせて行うこともあります。
早期のがんでは放射線治療が中心となります。早期がんで病変が声帯の一部に限局している場合は、レーザー手術を行うこともあります。レーザー手術の場合、1週間程度の入院で済みます。
手術は大きく声帯の一部を残す喉頭部分切除術と喉頭全体を摘出する喉頭全摘出術に分けられます。喉頭部分切除術では、声の質は悪くなりますが声を残すことが可能です。一方で喉頭全摘出術では声が失われるため、食道発声や電気喉頭などの代用発声で補う練習が必要となります。
4.薬物治療
耳鼻咽喉科・頭頸部外科で取り扱う治療(薬物治療)
シスプラチンという抗がん剤を主体した薬物治療(化学療法)を行います。
放射線治療に併用することが多いです。