唾液腺がん
担当診療科
耳鼻咽喉科・頭頸部外科
1.診療体制
耳鼻咽喉科・頭頸部外科で取り扱っているがん
唾液腺は唾液を作る部位で大唾液腺と小唾液腺があります。大唾液腺は耳下腺、顎下腺、舌下腺の3つからなります。おたふく風邪で腫脹する部位が耳下腺にあたります。小唾液腺は口の中の粘膜に分布しています。これらの唾液腺に発生したがんが唾液腺がんで、耳下腺がんと顎下腺がんが唾液腺がんのほとんどを占めます。多くの場合、腫れによって気づかれ、痛みを伴うこともあります。耳下腺の中には顔面神経が走行しており、がんが顔面神経に浸潤すると顔面神経麻痺を来します。
2.診断
耳鼻咽喉科・頭頸部外科における診断体制
腫瘍の視診、触診を行い、超音波、CT、MRI、PETを用いてがんの範囲やリンパ節転移の有無を調べ、進行度を判断します。最終的な病理組織診断は手術で摘出したがんを顕微鏡で観察しないと得られないことが多いです。
3.治療
耳鼻咽喉科・頭頸部外科で取り扱う治療(手術・集学的治療等)
唾液腺がんは放射線治療や抗がん剤が効きにくいことが多く、治療の中心は手術となります。耳下腺がんの手術では顔面神経の温存が問題となります。既にがんの浸潤のため顔面神経麻痺が生じている場合には顔面神経を切断します。麻痺がない場合には、神経と癌の癒着の程度やがんの組織型を考慮して神経を温存するか否かを決定します。がんの組織型や進行度に応じて、術後に放射線治療を行うこともあります。
4.薬物治療
耳鼻咽喉科・頭頸部外科で取り扱う治療(薬物治療)
唾液腺がんに対する抗がん剤治療(化学療法)はそれほど有効ではないとされています。