2.診断
消化器内科における診断体制
上部消化管内視鏡検査や超音波内視鏡などを用いた病変の深達度診断を行い、治療方針を決定しております。内科的な治療が適切でないと判断した場合には、外科の医師とも連携をとり治療にあたっています。
3.治療
消化器内科で取り扱う治療(手術・集学的治療等)
早期消化管癌に対する内視鏡治療は、我々が得意とする分野の一つです。
当科では消化管癌に対する内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)を積極的に行っています。
従来行われてきた内視鏡的粘膜切除術(EMR)に比べ、より大きな病変や潰瘍瘢痕症例でも一括切除することができ、高い根治性が得られる内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)は、全国の先進施設同様の技術が提供出来るように、積極的に取り組んでいます。
その結果、導入当初の2009年は、年間65例に過ぎなかったESDですが、近隣の先生方をはじめ県内全体の先生方からの御紹介により、2011年以降は年間120例以上の消化管癌に対するESDを行っております。
もちろん治療数だけでなく、治療成績につきましても、治癒切除率・偶発症発生率ともに良好な成績です。特に、高度線維化症例、潰瘍瘢痕症例や胃噴門部や十二指腸病変、広範囲な病変など高度の技術を要する病変も、当科では安全・確実なESDを心掛けており、実際良好な成績が得られています。
内視鏡治療の適応にない病期の患者さんには、消化器外科医や放射線科医とも連携をとり患者さんに適切な治療が提供できるよう心がけています。
4.薬物治療
消化器内科で取り扱う治療(薬物治療)
当科では化学療法も積極的に行っています。
消化器癌はQOLを損なう様々な症状を伴うため、より専門的なマネージメントも必要とされます。鹿大病院消化器内科では、消化器内科と癌医療の専門性をうまく調和させ、国内はもとより世界最高水準の癌医療を実践することを目標としています。消化器内科専門医のスタッフに加え、杏林大学腫瘍内科での修練を積んできたスタッフが在籍し、より専門的な臨床と教育が実践できるようGI oncologyチームを立ち上げ診療にあたっています。
現在はエビデンスに基づいて標準的な化学療法を確実に行うことを主体としていますが、今後は臨床試験にも積極的に参加し標準治療の確立に貢献していきたいと考えております。
これからも患者さんにとってより良い治療方法を提案して行きたいと思いますので御相談頂ければと思います。
5.放射線治療
消化器内科で取り扱う治療(放射線療法)
放射線科医と連携をとり治療にあたっています。