胆道がん

type06

担当診療科
消化器外科(Ⅰ)

腫瘍について

腫瘍について詳しくは「がん対策情報センター」でご紹介しています。下記のボタンからリンクします。

1.診療体制

消化器外科(Ⅰ)で取り扱っているがん

胆道癌とは、十二指腸乳頭部、胆嚢あるいは胆管に発生した癌を総称します(図1)。診断が容易ではなく、一般的に予後不良と言われる本疾患に対しては、胆道癌の診療・研究を専門としている外科医、内科医、放射線科医、病理医による専門チームを編成し、密接な連携のもと迅速かつ総合的な診療を行えるようなシステムを整えています。同時に県内外の関連病院や地域の拠点病院との連絡を密に行い、高度の医療を提供できる体制を整えています(図2)。さらに、当科の最新医療やその成績について国内外に発信するとともに、国内の各種臨床試験にも多く参加して最先端医療への取り組みや情報提供を積極的に推進しています。
胆道癌の外科手術は難易度が高く、高度な専門的技術が要求されますが、当院は日本肝胆膵外科学会が認定する県内唯一の肝胆膵外科高度技能医修練施設Aに認定されています。外科チームは同学会が認定する肝胆膵外科高度技能指導医および高度技能専門医を中心に編成されており、あらゆる難易度の高い手術に対し、高い安全性を維持して対応が可能な体制となっています。

図1

図1

図2

図2

2.診断

消化器外科(Ⅰ)における診断体制

本疾患を適切に治療するにあたっては、正確な診断に基づいた病期判定が必要です。そのためにご紹介いただいた後、ただちに精密検査目的に外来あるいは入院にて総合的な診断を行います(図3)。転移検索を含む画像診断としてダイナミック造影CT,微小肝転移の探査を含む3テスラEOB造影MRI(MRCP)、PET-CTなどを行い、本疾患の診断に精通した複数の放射線科診断医が読影します。胆道癌の正確な進展範囲の診断には消化器内科の専門医により内視鏡的逆行性膵胆管造影検査(ERCP)および同検査による組織生検が必須です。その他、超音波内視鏡検査(EUS)およびEUS下針生検や胆道腔内超音波検査などを行います。組織診断は本疾患の専門病理診断医が判定をします。これら多くの疾患情報をもとに一人一人の患者様に対して症例検討をもとに、確実な診断を行います。また。毎月各診療科の合同カンファレンスが行われ、手術症例に対し診断の問題点などを再検討しています。

図3

図3

3.治療

消化器外科(Ⅰ)で取り扱う治療(手術・集学的治療等)

<手術>

胆道癌に対する術式には多くのバリエーションがあり、発生部位や進行程度に応じて個々に選択されます。

膵頭十二指腸切除術 主に乳頭部癌や遠位側胆管癌に対して行う術式です。膵頭部、十二指腸および胃の一部、肝外胆管、胆嚢を切除した後、膵消化管吻合(当院では膵と胃をつなぎます)、胆管空腸吻合、胃または十二指腸空腸吻合による再建を行います。全国集計による本術式の手術死亡率は約1.5~2.8%(当科成績は約0.3%)と報告されています。
肝切除術 肝門部領域の胆管癌や進行した胆嚢癌に対しては、肝切除を伴う胆管切除術を行います。癌の進展方向により、右側または左側の胆管とともに切除します。癌の進展程度によって切除する肝の容積も変わります。
胆嚢摘出術 本術式だけで根治が得られるのはひじょうに早期の胆嚢癌に限られます。
肝膵同時切除術 広範囲に進展した胆管癌や一部の進行胆嚢癌などに行う術式です。高度な侵襲が加わるため、術後合併症や手術関連の死亡率も高率であることより、厳しい施設基準が設けられています。当院は県内で唯一その基準を満たしている施設です。

<集学的治療>

癌の進行により切除不能と判断された場合は化学療法を行います。遠隔転移を伴わない局所進行癌に対しては、化学放射線療法を行うこともあります。

<胆道ドレナージ術>

癌の進展により閉塞した胆管に対しては内視鏡的に胆道ステント(プラスチックステントまたは金属ステント)を留置し、黄疸を改善させます(図4)。

図4

図4

4.薬物治療

消化器外科(Ⅰ)で取り扱う治療(薬物治療)

切除不能状態であったり転移病変がある場合は、化学療法が第一選択となります。胆道癌の化学療法として、ジェムシタビンあるいはS-1単独療法、ジェムシタビン+シスプラチン併用療法、ジェムシタビン+S-1療法などがあり、患者様の全身状態や癌の進行程度などを考慮して薬剤を選択します。治療は長期に及ぶこともあり、当院の化学療法専門医の支援や地域の病院と連携しながら、患者様に合わせた治療法を選択しています。

5.放射線治療

消化器外科(Ⅰ)で取り扱う治療(放射線療法)

胆道癌に対する放射線治療については、いまだ明らかな有効性は証明されていませんが、当院では放射線科と連携病院の協力のもと、切除術が行えないが局所病変のコントロールが有用と考えられる場合は、積極的に治療を行っています。術後に単発で再発した場合や、化学療法の効果が期待できない場合も治療の対象としています(図5)。

図5

図5

6.先進医療、臨床研究、治験

当院では専門の緩和ケアチームの支援により、疼痛コントロールやその他の癌性随伴症状に対して最新の対応を行っています。癌の進展に伴う胆道閉塞に対しては内視鏡的胆道ステント留置術を行います。

先進医療、臨床研究、治験

消化器外科(Ⅰ)でおこなっている高度医療、最新の治療、研究等

当科では胆道癌自体やそれに関わる外科手術に対する臨床試験に参加しており、当科独自に研究を行っているものもあります。現在当院で進めている胆道癌に関連する研究課題は以下の通りです。

<全国多施設共同研究>

  • 膵頭十二指腸切除術における慢性肝障害の影響に関する研究(日本肝胆膵外科学会膵04:多施設共同後ろ向き研究)
  • 膵頭十二指腸切除術後膵液瘻grade Cの危険因子の同定-前向き観察多施設共同研究-(日本台湾多施設共同)

<当科独自の臨床研究>

  • Twin square wrapping法を用いた膵消化管吻合法の比較試験-膵胃吻合v.s.膵腸吻合-(限定施設による共同試験)
  • 硬化膵に対する膵頭十二指腸切除術術後ドレン留置の意義に関する前向き臨床試験
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