鹿児島大学病院からのお知らせ

急性期脳梗塞患者を対象としたブレイン・マシン・インターフェース(BMI)を用いた治療研究を開始しました

 鹿児島大学病院では株式会社LIFESCAPES(本社 東京都港区)と共同で、発症後間もない脳梗塞患者の上肢麻痺に対する特定臨床研究を開始しました。この研究では、同社が開発した医療機器「LIFESCAPES 医療用BMI(手指タイプ)」を使用します。
 本研究に使用するブレイン・マシン・インターフェース(BMI)は、麻痺のある手指を動かしたいと考えた時の生体信号を、頭に装着したヘッドセットで捉え、意図した生体信号が検出されたタイミングで麻痺のある手に装着した電動装具が駆動し、手指を動かすことで筋力を維持、発達又は回復させることを目的としています。手指の麻痺が残る多くの患者さんにとって、新たな治療の選択肢として期待されています。
 今回の研究では、リハビリテーション科と脳神経外科が共同で発症から14日以内の急性期脳梗塞の患者さんを対象に、この医療用BMIを用いた治療の効果を検証する予定です。
 鹿児島大学病院では、1990年代から『促通反復療法』と呼ばれる、脳卒中(脳血管疾患)片麻痺に対する新たな治療法を開発し、普及させてきました。『促通反復療法』は、患者さんによる努力や試行錯誤を極力減らしながら、麻痺のある上下肢の運動を反復する治療法であり、脳の可塑性(機能的・構造的に変化する性質)を最大限に引き出すことを目指した治療です。今回使用する医療用BMIも、脳の可塑性に着目した装置であり、『促通反復療法』との組み合わせによるさらなる治療効果が期待されます。今後、脳卒中片麻痺の回復期でもその組み合わせの効果を検証する予定です。

LIFESCAPES医療用BMI(手指タイプ) 製品URL:https://lifescapes.jp/product/