診療科案内(歯科診療科)

口腔外科

口腔外科の紹介

口の中にも「がん」や「腫瘍」ができることをご存じでしょうか。
顎の骨が折れたとき、かみ合わせを元にもどして治療しなければ一生かめません。
歯には異常がないのに口の中がずっと痛い。口の中が乾燥してどうしようもない。

口腔外科は、そんな一般的な歯科治療で対応できない、お口の中のあらゆる疾患、トラブル、不安に対応する診療科です。お口は食事だけでなく、会話・呼吸・飲み込みなど重要な役割を担います。そして顔面の一部として社会生活の重要な窓口でもあります。お口のトラブルは早期に治療を行わないと生活の質を低下させてしまう可能性があるのです。
当科での診断・治療は、日本口腔外科学会認定の12名の指導医・専門医・認定医、日本癌治療認定医機構がん治療認定医(口腔外科)3名を中心に経験豊富なスタッフが担当いたします。小さな異常や不安もお気軽にご相談ください。

歯科医師紹介

  氏名 職名 専門分野
部門科長 奥井 達雄 教授 口腔がん、顎変形症、口腔外科全般
副医局長 比地岡 浩志 講師 口腔がん、顎変形症、顔面外傷、骨髄炎(MARONJ)
外来医長 別府 真広 助教 インプラント、顎骨腫瘍、嚢胞、顎変形症、顔面外傷
医局長 後藤 雄一 助教 口腔がん、摂食嚥下、顎変形症、軟組織再建
病棟医長 久米 健一 助教 口腔がん、顎骨再建
スタッフ 長谷川 利聡 助教 口腔外科全般
スタッフ 山城 康太 助教 口腔がん、シェーグレン症候群
スタッフ 内野 祥徳 助教 口腔がん、マイクロバイオーム
スタッフ 中村 麻弥 助教 摂食嚥下
スタッフ 西 慶太郎 助教 摂食嚥下
スタッフ 野間 優作 大学院 口腔粘膜疾患
スタッフ 吉永 悠 大学院 口腔がん
スタッフ 高岡 亮太 大学院 口腔がん
スタッフ 林 瑶大 大学院 口腔がん
スタッフ 湯田 彩花 大学院 口腔外科全般
スタッフ 土山 貴弘 大学院 口腔外科全般
スタッフ 柳田 侑整 大学院 口腔外科全般
スタッフ 石川 百子 大学院 口腔外科全般

診療曜日・時間表

※専門外来は、初診・再診どちらも曜日指定があります。

初診診療曜日 月曜、水曜、第2・4金曜
再診診療曜日 月~金(予約制) (※口腔腫瘍外来は、再診診察曜日が金曜日になります。)
受付時間 【初診】8:30~11:00
【再診】8:30~16:30
診療時間 月~金 9:00~12:00 13:00~17:00
休診日 土曜日・日曜日・祝祭日・年末年始(12月29日~1月3日)
※診療部門科の都合により、診療日が変更になることもあります。

主な治療分野

  • 悪性腫瘍(口腔扁平上皮癌、唾液腺癌、肉腫)
  • 良性腫瘍(歯原性腫瘍、非歯原性腫瘍、唾液腺腫瘍、腫瘍類似疾患)
  • 外傷(骨折、歯の外傷、軟組織損傷)
  • 炎症(骨髄炎、蜂窩織炎、インプラント周囲炎など)
  • 口腔粘膜疾患(白板症、扁平苔癬、口腔乾燥症)
  • 囊胞(歯原性嚢胞、非歯原性嚢胞)
  • 顎関節疾患(顎関節症、顎関節脱臼など)
  • 神経性疾患(三叉神経痛、非定型顔面痛、神経麻痺)
  • 唾液腺疾患(腫瘍、唾石、唾液腺炎、IgG4関連疾患)
  • 歯の異常(智歯周囲炎、埋伏歯など)
  • 有病者歯科(全身疾患を有する方、歯科治療恐怖症など)
  • 摂食・嚥下障害
  • 口腔感染症(ウイルス感染、細菌感染、口腔カンジダ症)

その他のお口の中のトラブルにも他科との連携をとりながら対応いたします。

実績

私たちスタッフの最大の信念は、患者さんの立場にたった安全で最高の治療を提供することです。このために私たちはチーム医療を心がけています。様々な専門職種が治療に携わりますし、患者さん自身も治療チームの一員です。コミュニケーションは最も大切な治療ツールの一つと考えます。治療上の説明は十分理解いただけるまで行い、患者さんの希望や不安をなんでもご相談いただけるように努めています。

診療科で扱った主な全身麻酔手術件数 令和5年

悪性腫瘍手術 40件
良性腫瘍手術 17件
嚢胞手術 26件
外傷手術 4件
顎変形症手術 6件
抜歯関連手術 68件
プレート除去・異物除去術 14件
腐骨除去術、消炎手術 19件
その他 15件

各手術項目は主に入院下に全身麻酔や局所麻酔と静脈内鎮静法併用にて手術室で行ったものです。

場所

よくある質問

  口の中にも癌ができますか?

癌は全身のどこにでも発生しますので、口腔内にも舌癌、歯肉癌、頬粘膜癌などの癌が生じます。これらの口腔癌の発生には、残根や不良補綴物の鋭縁、合わない入れ歯などの慢性の機械的な刺激が関係していると考えられています。
口腔癌の中で組織学的に最も多いのが扁平上皮癌です。症状として、しこりや疼痛、潰瘍、硬結を伴った腫瘤、出血、白色病変やビロード状の発赤など様々です。
口腔癌の治療でも早期発見、早期治療が大切です。治療法は手術、放射線治療、化学療法等を併用して行います。

  “親知らず”は抜歯した方が良いですか?

現代人は永久歯として最後に萌える智歯(親知らず)が横を向いたり、半分だけ歯の頭が萌出したりします。この状態では、ブラッシングも困難なため、智歯と隣の歯との隙間に歯垢が付きやすく、智歯の周囲に細菌が増殖し、化膿したり、痛みや腫れを伴った炎症を生じます。
このような悪さをする歯は抜いた方が良いと言えますが、まっすぐ完全に萌出し、対合歯と咬みあわせた智歯は抜く必要は無く、最近では智歯が、歯の喪失した部位への移植材料として有効な場合もあるので、保存する場合が多いです。

  “骨の炎症”はどうしたらよいですか?

近年骨粗鬆症のお薬や抗がん剤の一種のお薬を使用し、口の中の細菌が感染することで、顎の骨に治りの悪い炎症(骨髄炎)を生じる方がいます。お薬を使用する前に残すことが難しい歯がある場合は、しっかりとかかりつけ歯科医院にて相談、治療を行うことが重要です。万が一顎の炎症につながった場合でも炎症を起こした骨を削除することで治癒を目指すことができます。骨粗鬆症薬や抗がん剤は体にとって必要なお薬ですので、むやみに心配する必要はありません。かかりつけの先生に相談をしましょう。

  顎関節症ってなんですか?

耳の前の付近の下顎骨と側頭骨で形成される顎関節に生じる開口時の痛みや雑音、口が開きにくい、こめかみや首や肩が凝るといった症状を伴う疾患を総称して顎関節症といいます。
原因は複雑で、咬み合わせの悪さや喪失歯の放置、偏側咀嚼、ストレス、歯ぎしり、ほおづえ、過度の開口、入れ歯の咬み合わせの高さの不一致など様々です。
そのため治療も様々で、治療期間や費用も異なります。
一般に関節を構成する骨同士の間にクッションの役目として介在する関節円板がずれることにより症状が起こることが多いようです。