鹿児島大学病院からのお知らせ

アシネトバクターの院内感染事例に伴う救急患者受入れ制限解除(再開)のお知らせ

8月23日に本院ホームページにてお知らせしました標記感染事案に関する院内対策等に関しまして、予定どおりICUを閉鎖し、噴霧除染を実施しました。このたび作業が全て完了しましたので、ICUの受入れならびに代替病棟としていました救急病棟を通常運営としまして、救急患者受入れを再開いたします。

※関係の皆様をはじめ、県民の皆様には、制限期間内はご不便をお掛けしましたことをお詫び申し上げるとともに、ご理解・ご協力いただきましたことに重ねてお礼申し上げます。

ICUの閉鎖について

(8月23日掲載 本院ホームページより抜粋)

本年4月以降、現在まで多剤耐性アシネトバクター検出事例はございませんが、院内の感染対策を徹底するために、ICUを一時的に閉鎖し噴霧除染を行います。

  • ICUの閉鎖にあたりましては、救急部の病床をICUの代替病床として、活用することといたしました。(完全閉鎖期間 8月24日~9月2日)
  • このため、現在、救急の患者の受入れ制限を実施しています。
    ただし、本院しか対応できない重症例は、受入れを行います。

(制限期間 8月13日~9月2日)

多剤耐性アシネトバクター検出事例に関する全体集会の開催について

本院では、多剤耐性アシネトバクター検出事例について、本院職員への更なる本事例の周知、再発防止に向けた対策の徹底、感染症に関する教育のために全体集会を開催いたしました。引き続き手指消毒、抗生剤の適正使用など、職員への周知を図っていきます。

開催内容

開催日

平成30年 8月20日(月)

内容

  1. 多剤耐性アシネトバクター検出事例の概要
  2. 公表について
  3. アシネトバクターとは
  4. 経過と再発防止に向けた対策と今後の取り組み    
  5. ICUの閉鎖について

ICUの閉鎖について

本年4月以降、現在まで多剤耐性アシネトバクターの検出事例はございませんが、院内の感染対策を徹底するために、ICUを一時的に閉鎖し噴霧除染を行います。

  • ICUの閉鎖にあたりましては、救急部の病床をICUの代替病床として、活用することといたしました。
     (完全閉鎖期間 8月24日~9月2日)
  • このため、現在、救急の患者の受入れ制限を実施しています。
    ただし、本院しか対応できない重症例は、受入れを行います。(制限期間 8月13日~9月2日)

※ 関係の皆様をはじめ、県民の皆様には、しばらくの間ご迷惑をおかけしますが、院内の感染対策を徹底するために必要な措置と考えておりますので、ご理解の程よろしくお願いいたします。

8月20日(月)開催 全体集会の様子

アシネトバクター検出事例に関する検証委員会について

鹿児島大学病院多剤耐性アシネトバクター検出事例に関する検証委員会について

本院では、標記検証委員会を発足し、8月10日(金)に会議(第1回)を開催いたしました。

概要

1 設置目的

本検証委員会「鹿児島大学病院 多剤耐性アシネトバクター検出事例検証委員会」は、外部委員4名を含む12名で構成され、これまでの本院の対応や対策の検証を行い、現在の対策の適切性を評価し、今後の再発防止策に役立てるよう報告書をまとめていく予定です。
なお、本検証委員会は2~3ヶ月に1回程度開催し、今後1年程度の期間で検討して参ります。

2 第1回 鹿児島大学病院 多剤耐性アシネトバクター検出事例検証委員会

(1)開催日 平成30年8月10日(金)
(2)出席者 院内委員8名 外部委員4名
(3)議事内容

本事例及び本院のこれまでの対応や対策について説明があり、外部委員を含めて「2018年4月の事例以降、現在まで新たに耐性菌は検出されておらず、対策は適切に行われている」ことが確認された。今後さらなる手指衛生遵守率の向上や、抗菌薬適正使用など各種感染対策プロセス評価指標による、改善対策の実施状況評価を外部委員も含め本委員会で行っていくこととなった。また本事例の終息は、患者・環境からの菌検出状況や各種感染対策プロセスの遵守率を勘案し、平成30年末の時点で終息と判断可能か検討することが確認された。

多剤耐性アシネトバクター検出事例に関するご報告

当院へ2017年4月から2018年4月に入院されていた患者様のうち、5名の方から感染症法で規定された多剤耐性アシネトバクターが検出されました。この耐性菌はIMP-1という抗菌薬に対する薬剤耐性遺伝子を保有しており、この他に多剤耐性ではないものの、同じ耐性遺伝子を持つ耐性アシネトバクターが2016年9月以降当院に入院された患者様10名から検出されております。多剤耐性を含むIMP-1遺伝子保有耐性アシネトバクターにより感染症を発症された方5名のうち4名の方が亡くなられ、うち3名の方は耐性アシネトバクター感染が病状の進行に影響を与えた可能性があるとの結論に至りました。亡くなられました患者様には心よりご冥福をお祈り申し上げますとともに、ご家族の皆様に対しまして、深くお詫び申し上げます。

また、2018年4月の事例以降本日まで当院入院患者様におけるIMP-1遺伝子保有耐性アシネトバクター検出例はございません。当院で治療をされている患者様、ご家族の皆様ならびに、地域の皆様、関係各位の方々に対しましてもご心配をお掛けしますことを深くお詫び申し上げます。

2018年8月3日
鹿児島大学病院長 夏越 祥次

(参考)

(1)多剤耐性アシネトバクターについて

アシネトバクターは土壌や河川水などの自然環境中に生息する環境菌です。健康な人の皮膚などから見つかることもありますが、通常無害です。アシネトバクターには多くの種類があり、人の感染症例からはアシネトバクター・バウマニが最も多く検出されます。通常、感染症の流行は集中治療室の患者やその他の重症患者で起こり、医療機関の外で起こることは滅多にありません。

多剤耐性アシネトバクターとは、通常のアシネトバクター感染症の治療に使用する抗菌薬がほとんど効かなくなっている菌のことです。日本での定義は、カルバペネム系、アミノグリコシド系、フルオロキノロン系の抗菌薬全てに耐性を示す株とされています。

当初は欧米で多剤耐性アシネトバクターが問題となり、近年は中国や韓国、東南アジア諸国でも流行が報告されるようになっています。

日本での検出状況は、厚生労働省の院内感染対策サーベイランス(Japan Nosocomial Infections Surveillance:JANIS)によると、2016年に報告されたアシネトバクター分離患者数は32,270人であり、そのうち多剤耐性アシネトバクター分離患者数は130人(0.40%)でした。

      (国立感染症研究所 感染症疫学センター 多剤耐性アシネトバクター感染症 Q&Aより)

(2)IMP-1について

カルバペネム系抗菌薬を分解する酵素の一種です。このIMP-1と呼ばれるカルバペネム系抗菌薬に対する薬剤耐性遺伝子は、プラスミドと呼ばれる、染色体とは異なる細胞内にある小さなDNA分子上にその情報があり、近縁の細菌間ではその遺伝子情報が伝達されます。

(3)感染症の発症と保菌状態の違いについて

感染症の発症とは、病原体に感染した結果、咳やくしゃみ、発熱など、臨床的に問題となる感染症状を呈している状態を指します。一方、保菌状態とは、病原体は検出されるものの、その病原体自体が生体に侵襲を加えておらず、感染症を発症していない状態を指します。

【7/19 受付終了】平成30年度NST(栄養サポートチーム)専門療法士実施修練研修のお知らせ

【7/19 受付を終了しました。】平成30年度NST(栄養サポートチーム)専門療法士実施修練研修の募集を行います。 詳細につきましては「NST専門療法士実地修練研修開催のご案内」「NST専門療法士実施修練研修申込み用紙」をご覧ください。参加をご希望の方は申込み用紙に必要事項 をご記入のうえ、お申し込みください。

地下水膜ろ過システムを導入しました

3月30日(金)に、地下水を濾過して飲料水や治療に利用するシステムを導入しました。

地下水膜ろ過システムでは、本院の敷地内に地下180mの井戸を掘削し、地下水をくみ上げ、飲用可能な水質にろ過し、利用いたします。災害時でも、水を安定して確保できるため、地域の皆さまへ飲料水を提供することが可能となります。  

また、上水道使用量の約90%を地下水に切り替えることにより、年間2千万円のコスト削減が見込まれます。

平成30年度看護師特定行為研修の2次募集を行います

平成30年度看護師特定行為研修の2次募集を行います。

研修の募集要項、お問い合わせなどは、看護師特定行為研修センターページをご覧ください。

看護師特定行為研修センター

鹿児島県の災害派遣精神医療チーム(DPAT)登録病院として指定されました

2月6日(火)に、鹿児島県庁において、DPATの派遣に関する協定の締結が行われ、鹿児島大学病院がDPAT登録病院として、鹿児島県から指定されました。

DPATとは、精神科医、看護師、業務調整員(医師、看護師以外の医療職及び事務職員)で構成され、自然災害等の大規模災害時に知事の要請に基づき、被災地域において、専門性の高い精神科医療の提供、精神保健活動の支援を行う専門的なチームです。

なお、鹿児島県内でDPATを派遣できる医療機関として登録されたのは、鹿児島大学病院と県立姶良病院の2病院が初めてです。

被ばく傷病者対応訓練及び原子力災害医療派遣チーム受入訓練を実施しました

平成30年2月3日(土)に川内原子力発電所の放射線管理区域内で発生した、汚染を伴う負傷者に対する被ばく傷病者対応訓練と原子力災害医療派遣チーム受入訓練を実施し、約50名の教職員が参加しました。 

この訓練は、平成29年11月1日付けで、鹿児島県から「原子力災害拠点病院」に指定を受けたことにより、本院で実施したもので、被ばく傷病者の汚染部分の除染と治療の訓練を行いました。

また、鹿児島県の要請を受けた長崎大学の原子力災害医療派遣チームの協力を受けるなど、関係機関との連絡体制及び搬送経路の確認なども併せて行うことができ、関係機関との連携強化を図ることができました。

新病棟(B棟)竣工式を開催いたしました

鹿児島大学病院の再開発第Ⅳ期整備として建築中であった新病棟(B棟)がこのほど完成し、2月2日に関係者を招き竣工式を行い、学内外の約80名が出席しました。

式では、前田学長から「新病棟竣工により、より高度でかつ良質な医療の提供と、医学・歯学の研究、教育、そして地域医療の拠点として、皆さまの期待にこれまで以上にお応えできる最新、最先端の病院となることを確信しています」と挨拶があり、夏越病院長から「教育・研修や高度な医療技術の開発、評価及び研究、患者本位の質の高い医療の提供など、職員全体で一致団結して取り組んでまいります」と挨拶がありました。

続いて、文部科学省文教施設企画部 山﨑技術参事官、鹿児島県保健福祉部 塩田次長、鹿児島県医師会 池田会長、前田学長、夏越病院長、又木副病院長の6名によるテープカットにより式が締めくくられました。

竣工式終了後には、新病棟の内覧会が行われ、新病棟の特徴及びリハビリテーション部門、周産母子センター、放射線部門等の案内がありました。

新病棟は、中央診療施設部門と病院機能を持った地上9階地下2階建(延べ床面積18,101㎡)で、病床数316床を擁しております。また、災害拠点病院として、免震構造や非常時の電力確保などの機能を備えたほか、個室の増床、多床病室の面積拡充、各個室・多床室へのトイレ設置など患者さんの快適な療養環境及びアメニティを重視した建物となっております。