鹿児島大学病院からのお知らせ

令和5年度鹿児島大学病院災害対策訓練を実施しました

 12月14日に令和5年度鹿児島大学病院災害対策訓練を実施しました。
 この訓練は災害発生時における院内体制の強化および問題点の把握・解決を目的に毎年、行っているものです。今年度は必要な感染対策を講じた上で、4年ぶりに通常規模で実施し、病院職員(医師、看護師、薬剤師、医療技術職員、栄養士、事務職員)、模擬患者、ボランティア役の学生等、約400名が参加しました。
 「桜島が大規模噴火するとともに鹿児島湾直下を震源とする地震が発生」との災害想定の下、被災状況報告、外来患者の避難・誘導、多数傷病者の受入訓練を行いました。傷病者受入訓練には、体制の構築、円滑な救護の実施及び部門間の連携強化を目的として、医師、看護師、学生ボランティアが協力しながら取り組みました。
 災害対策本部では、指揮命令系統体制の確認、被災状況の情報収集や院内対応方針の検討などの訓練を行いました。
 また、情報伝達訓練として、外部機関である鹿児島県庁、基幹災害拠点病院である鹿児島市立病院、地域災害拠点病院である鹿児島赤十字病院及び学内医歯学総合研究科と電話連絡により、被災状況や負傷者受入等の情報共有体制を確認しました。
 訓練終了後には各エリアおよび全体で振り返りを行い、問題点や今後の課題を共有しました。今回の訓練結果を検証し、災害拠点病院としての機能強化に努めます。

外来患者対応訓練を行う模擬患者役の学生と事務職員 
トリアージエリアでの救護活動の様子
傷病者を重症エリアへ搬送する様子 
トリアージタグ等を用いて救護活動を行う職員

文部科学省医学教育課企画官による特別講演会を開催しました

 鹿児島大学病院は11月21日、文部科学省高等教育局医学教育課企画官の堀岡伸彦氏を講師に迎え、「日本の医学研究、教育の現状について~特に働き方改革への対応について~」をテーマに特別講演会を開催しました。
 講演会には、坂本泰二病院長はじめ副病院長、病院長補佐、各診療科医局長など学内関係者165名の参加があり、石塚賢治副病院長(医科総括・総務担当)の進行の下、2024年4月から施行される医師の働き方改革の新制度を受けて、大学病院の臨床医学分野が直面する課題への対応について講演がありました。
 講演後に行われた質疑応答では、医師の大学院博士課程進学の魅力と向上や専門医制度の研修医コース等について活発な意見交換が行われました。
 最後に、坂本泰二病院長から、医学研究、教育の維持、発展のため幅広く支援いただいていることの謝辞が述べられ、日本の医学研究、教育が抱える問題について理解を深める大変貴重な機会となりました。

(講演の様子)
(質疑応答の様子)

県内で初めて、無症状の赤ちゃんを、拡大新生児マススクリーニング検査を契機に重症複合免疫不全症(SCID)と診断、臍帯血移植施行

 

 鹿児島大学病院小児科の西川 拓朗准教授、岡本 康裕教授らは、2022年8月から鹿児島県で実施されている「重症複合免疫不全症の拡大新生児マススクリーニング検査」にて、県内で初めて無症状の男児を重症複合免疫不全症(SCID)と診断し、本院で造血幹細胞移植(臍帯血移植)を行いました。移植を受けた男児の経過は良好で、2023年10月27日(金)に退院しました。
 本院小児科では、重症複合免疫不全症(SCID)の現在唯一の根治療法である造血幹細胞移植まで行っています。
 本検査について広く知っていただき、一人でも多くの新生児の早期診断、治療を実現できることを期待しています。

【新生児マススクリーニング検査とは】 
 放置すると命に関わったり、障害を残したりするような先天性の疾患を、症状が出現する前に発見・診断して、治療することを目的とした検査です。
 現在、鹿児島県では20疾患が公的新生児マススクリーニングの対象疾患に指定されています。
 今回の“SCID”は、この公的新生児マススクリーニング検査の対象疾患には含まれず、2022年8月から追加で開始された公費外の拡大新生児マススクリーニング検査の対象疾患に該当します。拡大新生児マススクリーニング検査では、SCID以外にも脊髄性筋萎縮症、ファブリー病など7疾患も対象となります(図1)。

【重症複合免疫不全症(SCID)とは】 
 生まれつきTリンパ球やBリンパ球といった免疫細胞が作られず、身体を守る免疫の働きが弱いため、ささいな感染症でも重症化する可能性がある疾患です。重度の免疫不全症の場合、根治的な治療法である造血細胞移植を行わなければ、生後1歳を超えた生存が難しいため、早期の診断・治療が必要です。
 また、2020年から定期接種化されたロタウイルスワクチン接種により、重篤な胃腸炎症状を呈し、時に致死的な経過をとる場合があることから、接種前の診断が重要となります。

【患児の経過】
 公的マススクリーニング検査と同様の乾燥ろ紙血を用いた、拡大新生児マススクリーニング検査で、TREC*が0コピー/105 cells (基準値 565以上 copies/105 cells)ということが判明し、日齢11から本院小児科に入院し精密検査を行いました。同日の血液検査でTリンパ球とNK細胞が欠損し、胸部エックス線では胸腺の欠損を認めました。遺伝子解析でIL2RG遺伝子変異が認められたことから、日齢40にIL2RG-SCIDと確定診断しました。この結果、県内で初めて新生児マススクリーニング検査により、無症状の新生児をSCIDとして早期診断することができました。
 患児は、入院を継続し、感染管理と造血幹細胞移植の準備をすすめ、生後3か月時にブスルファンとフルダラビンによる移植前処置後に、臍帯血移植が行われました(図2)。
 重篤な合併症を認めることなく、ドナー由来のTリンパ球、NK細胞の増加が確認されました。臍帯血移植から4か月経過し、退院となりました。

*TREC(T-cell receptor excision circle):
Tリンパ球が新しく作られる際に産生される環状DNA。世界中で、このTRECを測定する新生児マススクリーニング検査が行われています。

鹿児島県で行われている拡大新生児マススクリーニング検査の詳細は下記をご覧ください。https://kpchc.or.jp/checkup/congenital

図1.鹿児島県の新生児スクリーニング検査
図2.本症例の臨床経過

災害訓練実施のお知らせ

当院では、大規模地震発生を想定して、下記の日程で院内にて災害訓練を実施します。
皆様にはご迷惑をおかけしますが、ご理解とご協力をお願いします。

                   記

        令和5年12月14日(木)15:00~18:00

災害訓練実施のお知らせ

鹿児島大学病院WEBサーバーのメンテナンスについて(お知らせ)

以下の日時において、病院WEBサーバーのメンテナンスを実施します。

なお、メンテナンスの時間帯において、数分間、断続的に鹿児島大学病院ホームページ閲覧不能の時間が発生する可能性がありますのでお知らせします。

日時 : 令和5年11月14日(火) 午前 0:00 ~ 午前 6:00

2023年12月以降の面会時間について(変更)

 12月1日(金)から、面会時間について以下のとおり変更を予定しておりますので、お知らせいたします。

 皆さまのご理解・ご協力をよろしくお願いいたします。

●面会時間(一般病棟) 14:00~17:00 (15分以内)

 詳細につきましては、お見舞い(面会)についてをご確認ください。

2023年度がん診療連携拠点病院機能強化事業 市民公開講座のご案内

2023年11月11日(土)に「がんになったら仕事を辞めないといけないの?~治療と仕事の両立について~」のテーマで市民公開講座を開催いたします。

患者さん、ご家族、事業場担当者の方等々どうぞお気軽にご参加ください。

詳細につきましては、添付資料をご参照ください。

市民公開講座のご案内(PDF)

【がん相談支援センターより】 2023年度11月 患者サロン開催のご案内

日頃より、がん相談支援センターをご利用いただき、ありがとうございます。

患者サロンは、がん患者さんやご家族が、不安や悩み、体験などを自由に語り合い、

交流いただく場所となっております。

11月のサロンは、ミニ講座「栄養士による治療時の食事の工夫や栄養指導」も

企画しておりますので、どうぞお気軽にがん相談支援センターまでご相談ください。

詳細につきましては、添付資料をご参照ください。

患者サロンのご案内(PDF)

「ブラック・ジャック セミナー」(外科手術体験セミナー)が開催されました

 9月23日(土)に高校生を対象とした「ブラック・ジャック セミナー」(外科手術体験セミナー)が鹿児島大学病院にて開催され、県内の高校から34名が参加しました。

 新型コロナウイルスの影響を受け、今年は4年ぶり、10回目の開催となりました。

 本セミナーは、最新の医療に実際にふれることで、「一人でも多くの生徒たちに、将来の日本の医療を支える医師を志すきっかけを提供したい」という思いから実施されています。

 参加者は実際の手術で着用される術衣に着替え、医師から指導を受けながら、心臓の冠動脈バイパス手術や内視鏡手術の機械操作、超音波メスを使用した模擬手術などを体験しました。セミナーの最後には、修了証および当日の記念写真の授与、総評がありました。

内視鏡手術体験
冠動脈バイパス手術体験
皮膚縫合体験

食事中の配茶サービス廃止のお知らせ

当院では食事サービスの一環として、入院患者さんにお茶をお配りしておりましたが、
衛生面や安全面を考慮し、令和5年11月1日(水)より廃止させていただくことになりました。

今後は各病棟の給茶機や自動販売機、売店をご利用ください。
なお、移動が困難な方などは、お気軽にスタッフへお申し出ください。

皆様には大変ご不便をおかけしますが、ご理解・ご協力をお願いいたします。