鹿児島大学病院からのお知らせ

令和6年能登半島地震に係る鹿児島大学病院災害派遣医療チーム(DMAT)を被災地へ派遣しました

 令和6年能登半島地震被害に伴い、石川県から厚生労働省DMAT※1事務局を通じて、鹿児島県に対し災害派遣医療チーム(DMAT)の派遣要請があり、本院ではDMAT隊4名(医師1名、看護師2名、臨床工学技士1名)を派遣しました。
 DMAT隊は、石川県鳳珠郡穴水町役場内に設置された石川県穴水町保健福祉調整本部に、1月20日から1月24日の5日間、派遣され、現地DMAT活動拠点本部の指示により、病院の医療支援や避難所での診察などにあたります。
 出発の前日に開かれた19日の壮行会には、佐野 輝学長、坂本 泰二病院長はじめ学内関係者40名以上が参加し、派遣職員を激励しました。
 派遣職員からは、「チーム一丸となって、被災地での医療支援に全力で取り組みたい」との抱負が述べられました。

※1 DMAT(災害派遣医療チーム:Disaster Medical Assistance Team)
大規模災害や多傷病者が発生した事故などの現場に、急性期(おおむね48時間以内)から活動できる機動性を持った、専門的な訓練を受けた医療チーム

(写真①)激励の言葉を述べる佐野学長
(写真②)抱負を述べるDMAT隊医師
(写真③)派遣職員・壮行会参加者による記念撮影
(写真④)出発日当日のDMAT隊(1月20日 午前5時20分)

令和6年能登半島地震に係る鹿児島大学病院災害派遣精神医療チーム(DPAT)先遣隊及び災害時感染症支援チーム(DICT)医師を被災地へ派遣しました

 令和6年能登半島地震により犠牲となられた方々に深く哀悼の意を表するとともに、被災された皆さまに心からお見舞い申し上げます。
 本院では、石川県からの派遣要請を受けて、被災された能登半島地域へ向けて、災害時に精神科医療の提供や被災した人の心のケアにあたる医療チームとして、災害派遣精神医療チーム(DPAT)※1先遣隊3名と、避難所における感染対策支援などを行う、災害時感染症支援チーム(DICT)※2の医師1名を派遣しました。
 両チームは今月14日に石川県の公立能登総合病院へ派遣され、DPATは1月20日まで、DICTは2月上旬にかけて3回に分けて、現地で活動を行います。 
 出発を前に開かれた12日の壮行会には、佐野 輝学長はじめ坂本 泰二病院長、橋口 照人大学院医歯学総合研究科長など学内関係者50名以上及び鹿児島県庁職員2名が参加し、派遣職員を激励しました。
 派遣職員からは、「被災者に寄り添った心のケア、避難所の感染対策支援に全力で取り組みたい」との抱負が述べられました。

※1 DPAT(災害派遣精神医療チーム:Disaster Psychiatric Assistance Team)
大規模災害後、被災地域に入り、精神科医療及び精神保健活動の支援を行う専門的なチーム

※2 DICT(災害時感染症支援チーム:Disaster Infection Control Team)
一般社団法人日本環境感染学会による避難施設等における感染制御活動の支援を行う災害時感染制御チーム

(写真①)激励の言葉を述べる佐野学長 
(写真②)派遣職員・壮行会参加者による記念撮影
(写真③)被災地に向けて出発するDPATチーム(1月14日 午前8時15分)

鹿児島ユナイテッドFC様より小児科病棟へクリスマスプレゼントをいただきました

 12月25日、鹿児島ユナイテッドFC様より本院小児科病棟の患者さんへクリスマスプレゼントをいただきました。鹿児島ユナイテッドFC様によるクリスマスプレゼント寄贈は今年で8年目を迎えます。
 今年は必要な感染対策を講じた上で4年ぶりに、クラブ代表 德重 剛様、五領 淳樹選手、応援リーダー 田上 裕様にお越しいただき、代表の患者さん2名と小児科職員へ直接プレゼントを手渡していただきました。
 プレゼント贈呈後は、五領選手が実際に着用したユニフォームにサインをいただいたり、患者さんを囲んで話をしたりと和やかな空気に包まれ、楽しいひとときを過ごしました。

(写真左より)前列:川村病棟医長、中川副外来医長、田代看護師長
後列:德重代表、五領選手、田上応援リーダー
(写真左より)五領選手、川村病棟医長

一般財団法人 親和会様よりクリスマスプレゼントを寄附いただきました

 一般財団法人 親和会様より本院へクリスマスプレゼント寄附のお申し出をいただき、12月14日、寄附受納式を行いました。
 寄附受納式には、一般財団法人 親和会 島森俊光 理事長、内山保一 常務理事にご出席いただき、小児科病棟の患者さんへ知育玩具やボードゲームなど計18点を寄附いただきました。
 島森理事長より「クリスマスを間近に控えた患者さんに少しでも楽しい時間を過ごしていただきたい。」とのお言葉とともに、坂本病院長へ小児玩具が手渡されました。
 引き続き、病院長より「温かいお気持ちに感謝し、大切に使わせていただきます。日頃のご理解、ご協力に応えられるよう病院運営に努めて参ります。」との謝辞が述べられました。

坂本病院長(写真左)と島森理事長(写真右)
(写真左より)染矢事務部長、宮薗看護部長、坂本病院長、
島森理事長、内山常務理事

令和5年度鹿児島大学病院災害対策訓練を実施しました

 12月14日に令和5年度鹿児島大学病院災害対策訓練を実施しました。
 この訓練は災害発生時における院内体制の強化および問題点の把握・解決を目的に毎年、行っているものです。今年度は必要な感染対策を講じた上で、4年ぶりに通常規模で実施し、病院職員(医師、看護師、薬剤師、医療技術職員、栄養士、事務職員)、模擬患者、ボランティア役の学生等、約400名が参加しました。
 「桜島が大規模噴火するとともに鹿児島湾直下を震源とする地震が発生」との災害想定の下、被災状況報告、外来患者の避難・誘導、多数傷病者の受入訓練を行いました。傷病者受入訓練には、体制の構築、円滑な救護の実施及び部門間の連携強化を目的として、医師、看護師、学生ボランティアが協力しながら取り組みました。
 災害対策本部では、指揮命令系統体制の確認、被災状況の情報収集や院内対応方針の検討などの訓練を行いました。
 また、情報伝達訓練として、外部機関である鹿児島県庁、基幹災害拠点病院である鹿児島市立病院、地域災害拠点病院である鹿児島赤十字病院及び学内医歯学総合研究科と電話連絡により、被災状況や負傷者受入等の情報共有体制を確認しました。
 訓練終了後には各エリアおよび全体で振り返りを行い、問題点や今後の課題を共有しました。今回の訓練結果を検証し、災害拠点病院としての機能強化に努めます。

外来患者対応訓練を行う模擬患者役の学生と事務職員 
トリアージエリアでの救護活動の様子
傷病者を重症エリアへ搬送する様子 
トリアージタグ等を用いて救護活動を行う職員

文部科学省医学教育課企画官による特別講演会を開催しました

 鹿児島大学病院は11月21日、文部科学省高等教育局医学教育課企画官の堀岡伸彦氏を講師に迎え、「日本の医学研究、教育の現状について~特に働き方改革への対応について~」をテーマに特別講演会を開催しました。
 講演会には、坂本泰二病院長はじめ副病院長、病院長補佐、各診療科医局長など学内関係者165名の参加があり、石塚賢治副病院長(医科総括・総務担当)の進行の下、2024年4月から施行される医師の働き方改革の新制度を受けて、大学病院の臨床医学分野が直面する課題への対応について講演がありました。
 講演後に行われた質疑応答では、医師の大学院博士課程進学の魅力と向上や専門医制度の研修医コース等について活発な意見交換が行われました。
 最後に、坂本泰二病院長から、医学研究、教育の維持、発展のため幅広く支援いただいていることの謝辞が述べられ、日本の医学研究、教育が抱える問題について理解を深める大変貴重な機会となりました。

(講演の様子)
(質疑応答の様子)

県内で初めて、無症状の赤ちゃんを、拡大新生児マススクリーニング検査を契機に重症複合免疫不全症(SCID)と診断、臍帯血移植施行

 

 鹿児島大学病院小児科の西川 拓朗准教授、岡本 康裕教授らは、2022年8月から鹿児島県で実施されている「重症複合免疫不全症の拡大新生児マススクリーニング検査」にて、県内で初めて無症状の男児を重症複合免疫不全症(SCID)と診断し、本院で造血幹細胞移植(臍帯血移植)を行いました。移植を受けた男児の経過は良好で、2023年10月27日(金)に退院しました。
 本院小児科では、重症複合免疫不全症(SCID)の現在唯一の根治療法である造血幹細胞移植まで行っています。
 本検査について広く知っていただき、一人でも多くの新生児の早期診断、治療を実現できることを期待しています。

【新生児マススクリーニング検査とは】 
 放置すると命に関わったり、障害を残したりするような先天性の疾患を、症状が出現する前に発見・診断して、治療することを目的とした検査です。
 現在、鹿児島県では20疾患が公的新生児マススクリーニングの対象疾患に指定されています。
 今回の“SCID”は、この公的新生児マススクリーニング検査の対象疾患には含まれず、2022年8月から追加で開始された公費外の拡大新生児マススクリーニング検査の対象疾患に該当します。拡大新生児マススクリーニング検査では、SCID以外にも脊髄性筋萎縮症、ファブリー病など7疾患も対象となります(図1)。

【重症複合免疫不全症(SCID)とは】 
 生まれつきTリンパ球やBリンパ球といった免疫細胞が作られず、身体を守る免疫の働きが弱いため、ささいな感染症でも重症化する可能性がある疾患です。重度の免疫不全症の場合、根治的な治療法である造血細胞移植を行わなければ、生後1歳を超えた生存が難しいため、早期の診断・治療が必要です。
 また、2020年から定期接種化されたロタウイルスワクチン接種により、重篤な胃腸炎症状を呈し、時に致死的な経過をとる場合があることから、接種前の診断が重要となります。

【患児の経過】
 公的マススクリーニング検査と同様の乾燥ろ紙血を用いた、拡大新生児マススクリーニング検査で、TREC*が0コピー/105 cells (基準値 565以上 copies/105 cells)ということが判明し、日齢11から本院小児科に入院し精密検査を行いました。同日の血液検査でTリンパ球とNK細胞が欠損し、胸部エックス線では胸腺の欠損を認めました。遺伝子解析でIL2RG遺伝子変異が認められたことから、日齢40にIL2RG-SCIDと確定診断しました。この結果、県内で初めて新生児マススクリーニング検査により、無症状の新生児をSCIDとして早期診断することができました。
 患児は、入院を継続し、感染管理と造血幹細胞移植の準備をすすめ、生後3か月時にブスルファンとフルダラビンによる移植前処置後に、臍帯血移植が行われました(図2)。
 重篤な合併症を認めることなく、ドナー由来のTリンパ球、NK細胞の増加が確認されました。臍帯血移植から4か月経過し、退院となりました。

*TREC(T-cell receptor excision circle):
Tリンパ球が新しく作られる際に産生される環状DNA。世界中で、このTRECを測定する新生児マススクリーニング検査が行われています。

鹿児島県で行われている拡大新生児マススクリーニング検査の詳細は下記をご覧ください。https://kpchc.or.jp/checkup/congenital

図1.鹿児島県の新生児スクリーニング検査
図2.本症例の臨床経過

災害訓練実施のお知らせ

当院では、大規模地震発生を想定して、下記の日程で院内にて災害訓練を実施します。
皆様にはご迷惑をおかけしますが、ご理解とご協力をお願いします。

                   記

        令和5年12月14日(木)15:00~18:00

災害訓練実施のお知らせ

鹿児島大学病院WEBサーバーのメンテナンスについて(お知らせ)

以下の日時において、病院WEBサーバーのメンテナンスを実施します。

なお、メンテナンスの時間帯において、数分間、断続的に鹿児島大学病院ホームページ閲覧不能の時間が発生する可能性がありますのでお知らせします。

日時 : 令和5年11月14日(火) 午前 0:00 ~ 午前 6:00

2023年12月以降の面会時間について(変更)

 12月1日(金)から、面会時間について以下のとおり変更を予定しておりますので、お知らせいたします。

 皆さまのご理解・ご協力をよろしくお願いいたします。

●面会時間(一般病棟) 14:00~17:00 (15分以内)

 詳細につきましては、お見舞い(面会)についてをご確認ください。