鹿児島大学病院からのお知らせ

南九州 初!「心血管病低侵襲治療センター」を設置しました

 鹿児島大学病院では、10月1日より「心血管病低侵襲治療センター」が設置され、10月7日に記者発表を開催しました。

 低侵襲とは、なるべく体を傷つけずに治療を行うカテーテル治療などのことで、傷口が小さい、入院期間が短い、回復が早いなどのメリットがあります。

 本院において、カテーテル治療やステントグラフト治療を集約的に行う体制が整い、最新の外科手術を加えた7つの治療が提供できるようになったもので、同一機関で7つの治療法を持つセンターの開設は、南九州で初めてのことです。

 今回、心臓血管内科・心臓血管外科の医師や看護師、医療技術職員など約100人を集約し、センター長には 大石 充 先生(心臓血管・高血圧内科学分野 教授)、副センター長には 曽我 欣治(そが よしはる)先生(心臓血管外科学分野 教授)が就任しました。

 心臓血管内科が行う疾患のカテーテル治療は、3月まで大動脈弁狭窄症などに限られていましたが、4月以降、心房中隔欠損症など3つの治療が可能となり、11月には僧帽弁閉鎖不全症への最新治療が可能となる予定です。

 また、心臓血管外科が行う治療として、肋骨間を7~8cmほど切開して行う「MICS(ミックス・小切開低侵襲心臓手術)」が可能となり、最新の外科手術を提供できるようになりました。

 大石センター長からは「患者さんを県外へ紹介しなければならない状況を、少しでも改善したかった。治療法の選択肢が広がったことで、患者さんの生活の質を上げていきたい。」と挨拶があり、その後、各報道機関からのインタビュー取材を受けました。

 鹿児島大学病院は、鹿児島県における医療の「最後の砦」を守るためにも、引き続き一致団結して医療に取り組んでまいります。

報道機関からの質問に答える
大石 充 心血管病低侵襲治療センター長
報道機関からの質問に答える  曽我 欣治
心血管病低侵襲治療センター 副センター長
報道機関からのインタビューを受ける様子

血液浄化療法部(泌尿器科)山田 保俊 准教授が 厚生労働大臣より「感謝状」を授与されました!

 鹿児島大学病院の泌尿器科では、腎移植に積極的に取り組んでおり、移植推進のため、山田 保俊 先生を中心に県内透析医療機関の訪問や透析患者会雑誌への寄稿、都市部での市民公開講座の開催、離島・へき地での住民勉強会の開催、町村役場訪問等を行っています。
 また、1986年~2021年8月までに230名の腎移植を実施し、うち207例は、術者または指導医として、山田先生が手術を担当してきました。
 このたび、今までの推進活動や手術実績が評価され、8月5日(木)に、厚生労働大臣からの「感謝状」が 塩田 康一 鹿児島県知事より山田先生へ授与されました。
 後日、山田先生から挨拶があり、「地方における腎移植医療の立ち上げと脳死ドナーの啓発活動が評価され、大変光栄に存じます。腎移植チーム、腎臓内科、薬剤部、栄養管理部、その他関係各位の先生方とスタッフに感謝します。今後は、更に鹿児島県において脳死ドナーを増やす取り組みや、腎不全患者の治療選択において、患者さんと医師がShared decision makingできるような取り組みに力を入れていきたいと思います。鹿児島大学病院では4年前に脳死ドナーの提供がありましたが、その後の提供数は『0』の状態が続いています。本院における脳死ドナー提供の体制整備についてもお手伝いさせていただきます。」と、謝辞や今後の抱負が述べられました。
 鹿児島大学病院は、これからも南九州の患者さんにとって地元で治療が受けられるよう、患者さんの権利を尊重しながら、安心・安全・高度な医療の提供に尽力してまいります。

(写真左から) 塩田 康一 鹿児島県知事 と 山田 保俊 准教授

「第20回 高校生・受験生を対象とした病院薬局見学会」を開催しました

 8月2日(月)~6日(金)の5日間、鹿児島大学病院で、高校生・受験生を対象とした病院薬局見学会が開催され、約70名の高校生(応募高校数16校)が参加しました。
 この見学会は、鹿児島県病院薬剤師会が、鹿児島大学病院薬剤部との共催で「高校生・受験生を対象とした病院薬剤師紹介セミナー」として平成13年より開始したもので、薬剤師に興味を持っている高校生・受験生を対象に、薬剤師の仕事内容等を直接見学し、理解を深めていただくことを目的としています。昨年度はコロナ禍の影響で中止しましたが、今回は参加者の体調確認など感染対策の上、開催されました。
 4日(水)の見学会には16名の参加があり、医薬品情報室や注射室、調剤室において、本院薬剤師から、業務内容や担当者の役割等の説明が行われました。
 また、調剤室では、実際に粉薬を機械で分包する作業を見守りながら、処方の最終チェックを受けるまでの様子を見学しました。
 参加者からは「将来、医療関係を目指していましたが、病院薬剤師さんの仕事内容を見学し、さらに興味を持ちました。」等の感想が聞かれ、仕事内容や病院薬剤師のやりがいについて、知識を広げる機会となりました。
 当日は、南日本新聞社から取材の申込みがあり、参加者や 武田 泰生 教授(薬剤部長)へのインタビューが併せて行われました。

医薬品情報室で、薬剤師から説明を受ける様子
調剤室で、薬剤師から説明を受ける様子
機械で分包された粉薬を確認する様子
取材を受ける 武田 泰生 教授 (薬剤部長)

防災ヘリを用いた医療資機材搬送シミュレーションを実施

 7月31日(土)に、鹿児島大学病院C棟ヘリポートにおいて、鹿児島県の消防・防災ヘリコプターを用いた医療資機材搬送シミュレーションが実施され、本院から11名の医師・臨床工学技士が参加しました。
 今回の計画は、本院との円滑な連携を図ることを目的に、鹿児島県防災航空センターから依頼があったもので、経皮的心肺補助装置(PCPS)や補助循環用ポンプカテーテル装置(IMPELLA)等の医療資機材を使用した患者さん(今回は人形を使用)の搬送方法について、シミュレーションが行われました。
 はじめに、各医療資機材の簡単な説明と積載時の注意点等について説明があり、それぞれの高さや積載する順番の確認、ヘリ内での転倒防止や電源コンセントの位置確認等が行われ、問題点や改善点の洗い出し、搬送作業の見直し等について、忌憚のない意見が述べられました。
 鹿児島大学病院では、重症心不全患者さんをはじめ、すべての患者さんが適切な医療を受けられるよう、今後も出動体制や安全管理体制の一層の充実、県との連携強化について共通認識を図るとともに、搬送技術の向上と維持に努めてまいります。

(患者さんを防災ヘリのストレッチャーへ移す様子)
(患者さんを防災ヘリの中へ搬送する様子)
(防災ヘリに積載したモニターの画面を確認する様子)
(チューブが繋がった状態の患者さんを防災ヘリから
下ろす様子)

人工呼吸器・ECMO研修会を開催しました

 7月25日(日)に、鹿児島大学病院で「人工呼吸器・ECMO研修会」が開催され、36名の医療従事者が参加しました。
 この研修会は、COVID-19の重症例に対する人工呼吸器/ECMO管理について、同治療を有効かつ安全に実施可能な人材育成を目的に、医師・看護師・臨床工学技士を対象に行われたものです。
 ECMO(エクモ、Extracorporeal membrane oxygenation:体外式膜型人工肺)は、機能が低下した肺の代わりに体内へ酸素を取り込む働きをする医療機器で、親指ほどの管を太ももの血管から入れて体外へ血液を抜き出し、二酸化炭素を拡散・除去した上で酸素を加え、首付近の血管から体内に戻す装置です。
 この間、患者さんは肺を休めることができますが、回復には2週間以上かかることもあり、治療中は24時間態勢での管理が求められます。
 そのため、熟練した「医療チーム」が必要となり、医師・看護師・臨床工学技士で構成されたチームが本格的な実践練習を行いました。
 なお、今回は理学療法士も初めて参加し、チューブに繋がれた患者さん(人形)の体位変換について、介助の手順も確認しました。
 また、研修会の後半では、垣花 泰之 救命救急センター長による講義も行われ、参加者はメモを取りながら、終始熱心に聴講していました。
 当日は、KTS鹿児島テレビから取材の申込みがあり、「医療チーム」の必要性や実践練習の様子について、インタビューや撮影が併せて行われました。
 鹿児島大学病院は、鹿児島県における医療の「最後の砦」を守るためにも、引き続き一致団結して医療に取り組んでまいります。

ECMOの親指ほどの管を、患者さん
(人形)の太ももの血管から入れる様子
チューブに繋がれた患者さん
(人形)の体位変換を行う様子
インタビューを受ける主任理学療法士
垣花 救命救急センター長による講義の様子

鹿児島大学病院患者用立体駐車場整備に関する サウンディング型市場調査について

 鹿児島大学病院では現在、慢性的な駐車場不足の改善を目的とした患者用立体駐車場について、民間活力を活用して整備することを検討しております。
 つきましては、本件に関心のある法人または法人グループを対象に、事業に関するサウンディング型市場調査を実施いたします。

 詳細につきましては別添PDFをご覧ください。また、希望者に対しては本件事業に係る現地見学会・説明会を随時開催いたします。

■現地見学会・説明会申込について
 ・参加申込期限 : 令和3年7月5日
 ・参加申込方法 : 「現地見学会・説明会参加申込書」に必要事項を記入し、件名を【現地見学会参加申込】として、電子メールにてご提出ください。

■サウンディング型市場調査参加申込について
 ・参加申込期限 : 令和3年7月30日
 ・参加申込方法 : 「エントリーシート」及び「事前調査シート」に必要事項を記入し、件名を【サウンディング参加申込】として、電子メールにてご提出ください。

■本件申込・問い合わせ先
  〒890-8520 鹿児島県鹿児島市桜ヶ丘8丁目35番1号
  鹿児島大学病院 病院再開発推進室 再開発施設係
  TEL 099-275-5073
  e-mail s-kikaku[at](メールアドレスは[at]を「@kuas.kagoshima-u.ac.jp」に変換してください。)

■添付書類 

第68回 全国国立大学法人病院 検査部会議を開催

 令和3年6月25日(金)に、第68回全国国立大学法人病院検査部会議が「地域医療を支える大学病院検査部」のテーマのもと、鹿児島大学病院の当番によりWeb会議にて開催されました。
 今回、文部科学省から 林田 智史 大学病院支援室病院第一係長にもご出席いただき、コロナ禍での大学病院における取組みや課題、現状等について特別講演が行われ、地域医療の「最後の砦」として、国立大学病院の地域貢献や社会貢献、これからの医療の発展等について、貴重な助言をいただきました。
 続いて、本学教員や長崎大学病院検査部長 栁原 克紀 先生、国立長寿医療研究センター 認知症先進医療開発センター バイオマーカー開発研究部長 中村 昭範 先生による基調講演が行われ、国立大学病院検査部の必要性やPCR検査をはじめとする臨床検査業務の重要性が述べられました。
 その他に、会計報告、新任及び来年3月で退任予定の検査部長、臨床検査技師長から挨拶があり、最後に、次期当番校である群馬大学医学部附属病院検査部長 村上 正巳 先生の挨拶をもって、無事にWeb会議を終了しました。

開会の挨拶を行う 坂本 泰二 病院長
鹿児島大学病院からの出席者一同 (写真前列 左から2人目より右へ) 竹之下 友寿 副技師長、政元 いずみ 技師長、橋口 照人 検査部長、佐藤 香奈子 副技師長 

第73回 国立大学病院 看護部長会議を開催

   5月28日(金)に、第73回国立大学病院看護部長会議が、鹿児島大学病院の当番によりWeb会議にて開催されました。
    文部科学省から、島居 剛志 大学病院支援室長ほか2名の専門官にもご出席いただき、「国立大学病院看護部の今後のあるべき姿 ~提言のその先~ withコロナ」をメインテーマに、島居大学病院支援室長の特別講演や各専門官からの情報提供、各委員会の実践報告等が行われました。
    その後、コロナ禍での各大学病院における取組みや課題、現状等について活発な情報交換が行われ、看護師の地域貢献や社会貢献、これからの医療・看護の発展等について、忌憚のない意見が述べられました。
    最後に、次期当番校である 原田 美佐 山口大学医学部附属病院看護部長から挨拶が行われ、無事にWeb会議を終えることができました。

 開会の挨拶を行う
 坂本 泰二 病院長
 司会進行を行う  宮薗 幸江  看護部長
(写真右) と 小見山 智恵子 東京大学
        医学部附属病院 看護部長 (写真左)