鹿児島大学病院からのお知らせ

診療再開のお知らせ(新型コロナウイルス感染症の発生について)

 2月17日にお知らせしました当院病棟における新型コロナウイルス感染症発生に伴う、新規入院患者及び救急患者の受け入れ制限並びに一部手術の延期につきまして、多くの患者様やご家族をはじめ関係する皆様方に、大変ご心配をおかけしましたことを深くお詫び申し上げます。

 当院では、感染事例の判明後、直ちに対策本部を立ち上げ、新規入院患者の受け入れ制限等、診療体制の一部制限を決定し、病院全体で感染拡大の防止に努めてまいりました。

 当該病棟では、最後の陽性者を2月21日に確認してから7日間、新たな陽性者は発生しておりません。

 このような状況を踏まえ、第三者の専門家と発生状況の検証を行い、2月28日(月)から通常の診療体制で再開することにいたしました。

 引き続き、鹿児島市保健所と緊密に連携し、感染防止対策に努めてまいりますので、何卒よろしくお願い申し上げます。

令和4年3月1日
鹿児島大学病院長
坂本 泰二

(本件担当) 病院 総務課 企画・広報係
  099-275-6692

世界初!悪性骨腫瘍に対する承認(実用化)を目指した腫瘍 溶解性ウイルスの第Ⅱ相医師主導治験(多施設共同)を開始

 鹿児島大学病院では、独自開発した、がん細胞のみを殺傷する遺伝子組換えウイルス医薬「サバイビン反応性m-CRA-1」の、悪性骨腫瘍に対する承認を目指した第Ⅱ相医師主導治験(多施設共同)を開始したということで、2月18日に、探索的医療開発センターの 小戝(こさい)健一郎 センター長(大学院医歯学総合研究科 遺伝子治療・再生医学分野 教授)ら5人が記者発表を行いました。

 「サバイビン反応性m-CRA-1」は小戝教授らが開発したもので、がん細胞のほとんどで「サバイビン」という遺伝子が異常に生み出されており、この医薬がその異常な発生の仕組みに反応し、増殖しながらがん細胞を破壊します。また、正常な細胞には機能しないため、安全性が高く、副作用も非常に少ないことを、動物実験などで確認していました。

 悪性骨軟部腫瘍に対する第Ⅰ相治験は、2016年から鹿児島大学病院で実施しました。9人の被験者に対し、治験薬に関連した重大な有害事象が確認されず安全性が確認され、有効性を示唆する結果も見られました。この結果を踏まえ、悪性骨腫瘍に対する多施設共同(鹿児島大学、国立がん研究センター中央病院、久留米大学)第Ⅱ相治験を開始しました。

 悪性骨腫瘍は骨にできるがんで、100万人に対し4人(日本全体で年間500~800人)が発症する「希少がん」であり、有効な治療法がない状況にあります。今回、遺伝子治療薬として承認されれば「世界初」となるもので、今後2年間で20人を対象に有効性を評価し、2025年に再生医療等製品や希少がんに対するオーファンドラッグとしての早期承認申請を目指します。

 治験を担当する永野副センター長は「骨腫瘍は希少がんのため、製薬会社も治療薬が開発しにくい状況でした。実用化すれば、患者さんの希望の光になるのではと考えています。」と話し、小戝教授からは「一刻も早く患者さんに届け、将来的には多くのがんに対する適用を目指したい。」と力強い抱負が述べられました。

 本治験は、日本医療研究開発機構(AMED)の革新的がん医療実用化研究事業(代表:小戝教授)にて実施するもので、本学の大学院医歯学総合研究科 遺伝子治療・再生医学分野(小戝研教授、松田助教)、医学部保健学科 理学療法学専攻(永野教授)、大学病院 整形・運動機能センター(谷口教授)、同 臨床研究管理センター 治験管理部門(武田教授、二川薬剤主任)、同 検査部(橋口教授、山口准教授)、同 放射線部(吉浦教授、中條助教)らの共同研究グループで取り組んでいます。

報道機関からの質問に答える 小戝 センター長
(写真左から)整形・運動機能センター長 谷口 昇 教授、
探索的医療開発センター 副センター長 永野  聡 教授、
病院長 坂本 泰二 教授、
探索的医療開発センター長 小戝 健一郎 教授、
臨床研究管理センター治験管理部門長、薬剤部長 武田 泰生 教授
★写真撮影時のみ、マスクを外しました。

新型コロナウイルス感染症の発生について

 当院の入院患者様及びご家族の中に、新型コロナウイルス感染者がいることが2月14日に判明いたしました。

 これを受けて、当該病棟入院中の全ての患者様、職員及び関係者について、PCR検査を行った結果、複数名の感染が判明し、現在患者様は専用ゾーンで加療を行っております。

 これに伴い、PCR検査の結果が陰性であっても、職員の一時的な待機のため診療体制に少なからず影響が出ており、新規入院患者及び救急患者の受け入れ制限並びに一部の手術を延期させていただくことになりました。

 なお、外来診療は通常診療を継続いたします。

 皆様にはご心配とご迷惑をおかけしますが、今後も、鹿児島市保健所と緊密に連携し、感染拡大の防止に全力で努めてまいりますので、何卒ご理解のほどよろしくお願いいたします。

                                 令和4年2月17日
                                   鹿児島大学病院長
                                      坂本 泰二

                       (本件に関する問合せ先)
                        病院 総務課 企画・広報係
  099-275-6692

初診受付時間(歯科)変更のお知らせ(令和4年4月1日から)

 平素より、当院をご利用いただきありがとうございます。令和4年4月1日から、歯科の初診受付時間が一部変更となります。
 ご不便をおかけいたしますが、何卒ご理解賜りますようお願い申し上げます。

「鹿児島大学病院アメニティ施設整備運営事業」事業契約締結について

  標記のことについて国立大学法人鹿児島大学と大和リース株式会社は令和3年12月1日に

事業契約を締結しましたので公表します。

                           国立大学法人鹿児島大学

■本件問い合わせ先

〒890-8520 鹿児島県鹿児島市桜ヶ丘八丁目35番1号

国立大学法人鹿児島大学

鹿児島大学病院 経理調達課                                                    

TEL  099-275-5041                         

Email kanriho@m3.kufm.kagoshima-u.ac.jp

■添付書類 

医療支援のため 看護師を沖縄県へ派遣

 このたび、鹿児島大学病院では文部科学省からの派遣要請に基づき、医療体制がひっ迫している沖縄県へ看護師1名を派遣することとなり、1月21日(金)に壮行会が行われました。

 沖縄県へ派遣されるのは、 髙見 利恵 看護師長で、1月26日(水)から2月8日(火)までの2週間、沖縄市の医療機関へ派遣される予定です。

 壮行会では、坂本 泰二 病院長から「隣県として手助けしたいという気持ちがずっとあった。鹿児島で有事が起きた場合にも、備えられる経験をしてほしい。沖縄県の人々のために、力を尽くしてください。」と激励の挨拶が述べられ、髙見看護師長から「患者さんの命を守り、心に寄り添うことは、看護師の使命。診療や療養の世話に、精いっぱい協力したい。」と、力強い抱負が述べられました。

 最後に、宮薗 幸江 看護部長からの挨拶で壮行会を締めくくり、その後、各報道機関からの質問を受けました。

報道機関からの質問に答える
髙見 看護師長
(写真左から) 山﨑 正人 事務部長、
 石塚 賢治 副病院長、 髙見 利恵 看護師長、
宮薗 幸江 看護部長、坂本 泰二 病院長
★   写真撮影時のみ、マスクを外しました。

個人情報を保存したUSBメモリの紛失について

 本院医師が、令和3年10月18日に本院の患者様16名の個人情報(患者氏名(ローマ字)、診察券番号、年齢、性別)を保存したUSBメモリを紛失したことが判明いたしました。

 このような事態になり、患者様ご自身はもとよりご家族の皆様に対しまして、多大なるご心配とご迷惑をおかけし誠に申し訳なく、心より深くお詫び申し上げます。

 本院では、常日頃から研修、学内通知、会議等を通じて全職員に個人情報保護に関する注意喚起を行い、個人情報の保護に努めてまいりましたが、今回このような事態が発生したことは、極めて重大な問題であると受け止めております。

 本院といたしましては、今回の事案を厳粛に受け止め、今後は、個人情報の適切な取扱いを一層強化するとともに、全職員に対する個人情報の管理・運用に関する教育を徹底してまいります。

令和3年12月1日
鹿児島大学病院長
坂本 泰二

鹿児島大学病院患者用立体駐車場整備に関する サウンディング型市場調査 結果公表について

 令和3年6月21日付公示の鹿児島大学病院患者用立体駐車場整備に関するサウンディング型市場調査の結果について、別添のとおり公表いたします。
 ご参加いただきました皆様方には貴重なご意見等いただき、ありがとうございました。

■本件問い合わせ先

〒890-8520 鹿児島県鹿児島市桜ヶ丘8丁目35番1号
鹿児島大学病院 再開発推進室 再開発施設係
TEL 099-275-5073
e-mail s-kikaku[at](メールアドレスは[at]を「@kuas.kagoshima-u.ac.jp」に変換してください。)

■添付書類

NPO法人 ECMO net 主催 「人工呼吸・ECMO講習会」を開催しました

 10月31日(日)に、NPO法人 ECMO net の主催により、鶴陵会館で「人工呼吸・ECMO講習会」が開催され、本院、鹿児島市立病院、県立大島病院、天陽会中央病院、米盛病院から計30名の医療従事者が参加しました。

 この講習会は、COVID-19の重症例に対する人工呼吸器/ECMO管理について、同治療を有効かつ安全に実施可能な人材育成を目的に、医師・看護師・臨床工学技士を対象に行われたものです。

 ECMO(エクモ、Extracorporeal membrane oxygenation:体外式膜型人工肺)は、機能が低下した肺の代わりに体内へ酸素を取り込む働きをする医療機器で、親指ほどの管を太ももの血管から入れて体外へ血液を抜き出し、二酸化炭素を拡散・除去した上で酸素を加え、首付近の血管から体内に戻す装置です。

 この間、患者さんは肺を休めることができますが、治療中は24時間態勢での管理が求められるため、熟練した「医療チーム」が必要となり、医師・看護師・臨床工学技士で構成された4人が1チームとなって、本格的な実践練習を行いました。

 また、ECMO net の中心メンバーである 小倉 崇以 済生会宇都宮病院 救命救急センター長や 星野 耕大 福岡大学病院 ECMOセンター 副センター長による講義も行われ、参加者は終始熱心に聴講していました。

 当日は、KKB鹿児島放送から取材の申込みがあり、「医療チーム」の必要性や実践練習の様子について、インタビューや撮影が併せて行われました。

 鹿児島大学病院は、鹿児島県における医療の「最後の砦」を守るため、これからも一致団結して医療に取り組んでまいります。

小倉 崇以 済生会宇都宮病院
救命救急センター長による講義の様子
患者さん(人形)の太ももの血管から
カテーテルを入れる様子
メディアの取材を受ける様子
ECMOにつなぐ管を操作する様子
ECMOを操作する様子

南九州 初!「心血管病低侵襲治療センター」を設置しました

 鹿児島大学病院では、10月1日より「心血管病低侵襲治療センター」が設置され、10月7日に記者発表を開催しました。

 低侵襲とは、なるべく体を傷つけずに治療を行うカテーテル治療などのことで、傷口が小さい、入院期間が短い、回復が早いなどのメリットがあります。

 本院において、カテーテル治療やステントグラフト治療を集約的に行う体制が整い、最新の外科手術を加えた7つの治療が提供できるようになったもので、同一機関で7つの治療法を持つセンターの開設は、南九州で初めてのことです。

 今回、心臓血管内科・心臓血管外科の医師や看護師、医療技術職員など約100人を集約し、センター長には 大石 充 先生(心臓血管・高血圧内科学分野 教授)、副センター長には 曽我 欣治(そが よしはる)先生(心臓血管外科学分野 教授)が就任しました。

 心臓血管内科が行う疾患のカテーテル治療は、3月まで大動脈弁狭窄症などに限られていましたが、4月以降、心房中隔欠損症など3つの治療が可能となり、11月には僧帽弁閉鎖不全症への最新治療が可能となる予定です。

 また、心臓血管外科が行う治療として、肋骨間を7~8cmほど切開して行う「MICS(ミックス・小切開低侵襲心臓手術)」が可能となり、最新の外科手術を提供できるようになりました。

 大石センター長からは「患者さんを県外へ紹介しなければならない状況を、少しでも改善したかった。治療法の選択肢が広がったことで、患者さんの生活の質を上げていきたい。」と挨拶があり、その後、各報道機関からのインタビュー取材を受けました。

 鹿児島大学病院は、鹿児島県における医療の「最後の砦」を守るためにも、引き続き一致団結して医療に取り組んでまいります。

報道機関からの質問に答える
大石 充 心血管病低侵襲治療センター長
報道機関からの質問に答える  曽我 欣治
心血管病低侵襲治療センター 副センター長
報道機関からのインタビューを受ける様子