診療科案内(医科診療科)

小児科

小児科の紹介

小児科はこどもの総合診療科であり、心身の発達
をはじめ全身を診ることを特徴としています。
当院小児科は、血液・腫瘍(長期フォロー、移植後長期フォローを含む)、循環器(胎児エコーを含む)、膠原病、神経、内分泌、腎、アレルギーに分かれ、各専門の医師が外来、病棟で診療にあたっています。その他に、総合外来、他の診療科で行われる
手術の術前外来、乳児健診も行っています。
また、大学病院小児科の役割として、鹿児島県の
三次医療を担っています。三次医療については24時間体制で対応しています。

小児科の紹介

医師紹介

  氏名 職名 専門分野
部門科長 岡本 康裕 教授 血液・腫瘍
保健学科 根路銘 安仁 教授
病棟医長 川村 順平 助教 循環器
外来医長 山﨑 雄一 講師 膠原病
副外来医長 中川 俊輔 助教 血液・腫瘍
副病棟医長 稲葉 泰洋 助教 腎臓
医局長 上野 健太郎 講師 循環器・新生児
副医局長 丸山 慎介 講師 神経
臨床実習担当 西川 拓朗 准教授 血液・腫瘍
講義試験担当 宮園 明典 助教 腎臓
中江 広治 特任助教 循環器・新生児

診療曜日・時間表

※専門外来は、初診・再診どちらも曜日指定があります。

初診診療曜日 月~金
初診の方は、紹介医により医務課外来予約担当 (電話 099-275-5168、FAX 099-275-6698) にて予約をとり、紹介医からの紹介状をご用意下さい。専門外来は、診療の曜日が指定されます。

月 神経、総合外来(術前)
火 内分泌、血液・腫瘍(長期フォローアップ・移植後長期フォ
  ローアップ)
  胎児心臓超音波外来(午後)※胎児心臓超音波外来は原則、
  産科婦人科と併診になります。紹介をご希望の先生は、産
  科婦人科の「胎児心疾患精査」にご予約ください。
水 循環器、神経
木 膠原病、総合外来(術前)、循環器、アレルギー
金 血液・腫瘍、腎臓
再診診療曜日 月~金(午前のみ)
予約制です。
受付時間 8:30~11:00(予約時間に診療部門科受付へおいでください。)
診療時間 8:30~12:30
休診日 土曜日・日曜日・祝祭日・年末年始(12月29日~1月3日)
※診療部門科の都合により、診療日が変更になることもあります。

実績

大学病院の役割として、三次医療を担っています。以下のような高度な医療、先端的な治療にも取り組んでいます。

診療科で扱った主な手術や処置の件数 令和4年度

造血細胞移植 9件
がんゲノム検査 5件
心臓カテーテル検査(治療) 52件(治療は11件)
心エコー検査 2612件
胎児心精査(スクリーニング2以上) 57件
トレッドミル・運動負荷試験 48件
腎生検 37件
腹膜透析 5件
生物学的製剤による抗サイトカイン療法 50件
長時間ビデオ同時脳波記録検査 51件
内分泌負荷試験 41件
甲状腺シンチ 4件

1992年に同種骨髄移植を行って以来、2023年3月現在までで、257回の造血幹細胞(骨髄、末梢血幹細胞、臍帯血)移植を行いました。難治性白血病・固形腫瘍や造血不全症だけでなく、原発性免疫不全症に対する造血幹細胞移植も行なっています。HLA一致ドナーが見つからない場合はHLA半合致移植も行っており、日本造血細胞・免疫細胞療法学会の移植施設認定基準のカテゴリー1施設です。拡大新生児マススクリーニング対象疾患の一つである原発性免疫不全症の精密検査や治療も行っています。また、当院はがんゲノム医療拠点病院であり、標準治療がない小児がんに対して積極的にがんゲノム検査を行っています。

小児の心臓病全般、救急診療を中心に診療を行っています。2008年から鹿児島大学病院で小児心臓手術が可能となり、2020年12月までの間に1,000例を超すお子さんの手術を行ってきました。2021年4月以降、小児心臓手術の拠点病院は鹿児島市立病院に移行しましたが、引き続き連携をとりつつ高度医療や周術期管理を行っています。先天性心疾患については、胎児心精査、カテーテル検査・治療、トレッドミル負荷試験なども行っており、2021年にはASD閉鎖栓施行施設として認可されました。また小児二次救命処置(Pediatric Advanced Life Support:PALS)や、新生児蘇生法(Neonatal Cardiopulmonary Resuscitation:NCPR)のインストラクター養成にも力を入れています。

膠原病に対しては、過去にエタネルセプト、トシリズマブ、アダリムマブ、アバタセプト、カナキヌマブの治験に参加し、現在はベリムマブ、バリシチニブ、ウパダシチニブの治験を継続しています。

小児神経疾患は幅広く診療を行っています。特に、筋ジストロフィーや脊髄性筋萎縮症の診断・治療、神経難病の診療を行っています。またてんかんセンターと連携して薬剤抵抗性てんかんに対する診療を行っています。南九州で唯一のてんかん外科治療が可能な施設であり、小児に対する外科的治療も積極的に行っています。新生児マススクリーニングにおける精密検査や対象疾患に対する治療も行っています。

内分泌グループでは、下垂体疾患センターと連携して視床下部下垂体疾患の診療、他には甲状腺疾患、副腎疾患、性腺疾患、骨系統疾患、糖尿病の診療を行っています。また患者・家族会であるさくらんぼの会(1型糖尿病)、MIRAI (Turner女性)をサポートしています。

新生児に関しましては、当院は地域周産期母子医療センターとしての役割を担っており、主に先天性心疾患、小児外科疾患、早産児(原則在胎32週以降)、低出生体重児(出生体重1,300g以上)の赤ちゃんの診療を行っています。鹿児島市立病院(総合周産期母子医療センター)を中心に、いまきいれ総合病院(地域周産期母子医療センター)と連携を図りながら、鹿児島県の赤ちゃんに必要な医療を提供しています。

鹿児島大学病院NICUホームページ : https://www.hosp.kagoshima-u.ac.jp/wp-od/department/005-2/

アレルギーグループでは、食物アレルギー、アトピー性皮膚炎、気管支喘息、慢性蕁麻疹などアレルギー疾患全般の診療を行っています。臨床検査から重症度をきちんと評価し、外用薬や吸入薬の使用法の指導にも力を入れて管理しています。また、他の診療グループでの治療が必要な子ども達のアレルギーに関する悩みの対応、治療も行っています。

鹿児島県全域で偏りのない治療ができるように、腎臓グループでは地域の中核病院や紹介元の病院と連携した診療を行っています。精密検査が必要と判断された難治性ネフローゼ症候群や遺伝性腎疾患、低形成腎、多発性嚢胞腎、尿細管間質性腎炎など、種々の腎疾患を診療しています。末期腎不全に対する腹膜透析を行っている鹿児島県内では唯一の施設です。原因検索として行われる腎生検を、当科では毎年40例前後行い治療方針決定に役立てています。

 

場所

2階フロア 小児科

※正面玄関は午前6時から午後6時まで(土・日・祝祭日は除く)

よくある質問

  かぜが悪くならないように抗生物質をもらえませんか?

かぜはウイルスが気道に感染して起こります。抗生物質は細菌に効きますが、ウイルスには作用しません。かぜに最初から抗生物質を使っても病状を改善しません。早めに抗生物質を飲んでも重症の細菌感染症を予防できるとは限りません。お子様の状態から、抗生物質が必要かどうかを考えて処方しますので、ご心配な際は遠慮なくお尋ねください。

  最近身長が伸びていないのが心配です。

背が伸びることは子供の特徴であり成長をみることで病気が見つかったり病気の始まりがわかることがあります。低身長の原因は様々で体質もありますがホルモンの病気や心臓腎臓の病気、腫瘍が見つかることもあります。また愛情不足でも起こります。まずは1年にどのくらい伸びているかを調べて伸びが悪くなっているようなら検査を受けましょう。

  腎生検とはどういう検査ですか?

血尿、蛋白尿やその他の所見から、糸球体疾患あるいは尿細管疾患が疑われる場合に行います。診断だけでなく、重症度の判定、治療方法の選択や治療効果の判定、今後の病気の進行の予測に役立つ検査です。 具体的には、ベッド上に腹臥位となり局所麻酔をした後、エコーで腎臓の位置を確認しながら細い針を数回刺して腎臓の組織の一部を採取します。