部門案内

輸血・細胞治療部

輸血・細胞治療部の紹介

鹿児島大学病院では医師2名(輸血・細胞治療学会認定医2名)、輸血専任臨床検査技師6名(認定輸血検査技師3名)で業務を行っています。当直業務ではさらに5名(認定輸血検査技師3名)の技師を加え、24時間体制で迅速な対応が可能となっています。
血液製剤管理、輸血検査、自己血採血、移植関連検査などの業務に加え、2019年からは造血幹細胞移植後の急性移植片対宿主病に効果があるヒト(同種)骨髄由来間葉系幹細胞(テムセルHS注)を開始しました。また、2021年からは大量出血時の有効な止血目的として、同種クリオプレピシテートの作成および供給を開始しました。
年6回開催している血療法委員会では診療科と協議し、適正な血液製剤使用にも努めています。

部長 古川 良尚
プロフィール 安全で効率的な輸血の運営と先端医療の推進を支え、患者さんにより多くの安全と先進の治療を提供すべく日々研鑽しております。

血液製剤使用統計

当院の赤血球製剤の廃棄率は2012年では2.37%と全国平均より高い廃棄率でしたが、徐々に減少し2020年は0.56%、2021年は0.8%まで削減しています。特に血小板製剤については2021年の年間廃棄本数は1本で、廃棄率0.05%まで削減できています。

赤血球製剤 新鮮凍結血漿製剤 血小板製剤
2016年 8888 5002 21745
2017年 8923 5834 18485
2018年 9453 5663 18790
2019年 9883 5732 17905
2020年 10951 6852 20845
2021年 9129 4700 18665


血液製剤廃棄率(%)      
    

医師紹介

業務内容

<血液製剤管理>

・ 製剤依頼の受付

・ 血液製剤の発注・納品・管理・供給

・ 自己血製剤の保管・管理・供給

・ クリオプレシピテート製剤の作製・保管・供給

・ 製剤使用時の副作用確認・記録保管

・ ヒト(同種)骨髄由来間葉系幹細胞(テムセルHS)の調製

<輸血検査>

・ 血液型検査

・ 不規則抗体検査

・ 直接クームス試験

・ 交差適合試験

・ 抗A、抗B抗体価測定

<自己血貯血>

・ 自己血採血

・ 自己血製剤作製

・ 造血幹細胞移植のための末梢血幹細胞採取

<その他>

・ フローサイトメトリー

・ キメリズム解析

・ HLA検査

職場紹介

血液製剤管理室

血液製剤オーダーの受付や製剤の発注・管理、記録類の管理を行います。
血液製剤は製剤種によって保管温度が異なるため、厳密な温度管理の下でそれぞれ保管しています。自己血製剤は専用の保冷庫に保管しています。
輸血時には製剤による副作用が起こらないか診療科の医師や看護師が経過観察をし、その記録を輸血部で確認・保管します。必要に応じて使用済製剤の回収や採血を行い、日赤に原因究明を依頼します。

輸血検査室・細胞解析室

  

自動分析装置で血液型・不規則抗体スクリーニング検査・交差適合試験を行います。
異常反応を認めた血液型検査の精査試験や不規則抗体スクリーニングが陽性になった場合の抗体同定検査についても院内で実施しているため、迅速に適合血を選択することができます。
移植関連では、HLA検査、腎移植に伴う抗A、抗B抗体価測定、CD34陽性細胞測定、造血幹細胞移植後のキメリズム解析を実施し、疾病診断の補助や移植前検査として貢献しています。

貯血室

自己血採血や自家末梢血幹細胞採取、小
児科および血液膠原病内科の造血器疾患
に対する同種造血幹細胞移植(骨髄移植、
末梢血幹細胞移植、臍帯血移植)における
細胞処理などを行っています。

 

実績

輸血・細胞治療部組織図

輸血・細胞治療部組織図

仕事上のエピソード

輸血に関する院内の情報が集まってくる部所が輸血・細胞治療部です。そのような情報を院内に還元して安全な輸血を今後も推進していこうと考えています。