部門案内

総合臨床研修センター(歯科)

総合臨床研修センター(歯科)の紹介

鹿児島大学では、優れた医療人を育成するために、大学病院および院外の多くの臨床研修施設と連携し、高い倫理観と優れた人間性、充実した臨床能力の習得が図れるようなプログラムを準備しています。

また鹿児島大学病院は、南九州唯一の歯科医療者育成機関という地域特性を生かし、離島を含む地域医療従事者の養成にも積極的に取り組んでいます。

研修プログラムの特徴

研修の目標

患者中心の全人的医療および包括的歯科医療を理解し、医療者としてのプロフェッショナリズムを涵養するために、将来独立して一般歯科診療に従事し得る基本的な診療能力を習得するとともに、歯科医学と歯科医療の進歩・向上に対応できる資質を身につける。

研修のねらい

  • (1)歯科医師の社会的役割を認識し、適切に対応する。
  • (2)歯科医師として好ましい態度を身につけ、医療コミュニケーション能力の基礎を習得する。
  • (3)POSに基づいた総合的治療計画を立案する能力を身に付ける。
  • (4)歯科疾患と機能障害を予防・治療・管理する根拠に基づく基本的技術を身に付ける。
  • (5)応急処置を要する症例、高頻度に遭遇する症例に対する基本的臨床能力を身に付ける。
  • (6)歯科診療上の偶発事態に適切に対応するための基本的臨床能力を身に付ける。
  • (7)自ら行った処置の予後を予測し、経過を観察、評価、診断と治療にフィードバックする能力を身に付ける。
  • (8)円滑な歯科診療に必要な医療安全・感染予防を理解し、適切に対応する。
  • (9)地域歯科医療についての基礎を身につけ、適切に対応する。
  • (10)EBMに基づく医療を理解し、リサーチマインドを身に付ける。
  • (11)自己主導型学習を理解し、生涯にわたって自己研鑽する基礎を身に付ける。

業務内容

総合臨床研修センターでは、研修歯科医が本院のプログラムによる研修を通じて、歯学医療の社会的ニーズを認識しつつ、歯科医師としての人間性の涵養とプライマリ・ケアの基本的診療能力(態度・技能・知識)の習得を達成することを目指し、そのためのサポートを行っています。

研修歯科医の感想

鹿児島大学病院での研修は、大学病院、開業医等の協力型施設だけでなく、技工所、市中病院など様々な施設で研修することができ、歯科医師としての幅広い役割を学べ、地域医療を担う上での基礎を築く事ができたと思う。

私の選択したBプログラムは、1年間大学病院で診療するプログラムで、保存系、補綴系、外科系の3科をローテーション方式で回る。メリットは一般歯科の王道を学べる点と、あまり臨床経験を積むことのできない外科を3ヶ月間経験できる点である。デメリットは診療内容をある程度理解できるようになった時期に、他科への研修に変わってしまうため、中途半端な研修になる可能性がある。

鹿児島大学病院は、南九州の拠点として地域の口腔衛生を支える重要な役割があり、研修では離島巡回診療、障害者治療の普及事業、訪問診療、NSTラウンドへの参加など通じ、地方都市では歯科が多方面から求められているという状況を知ることができた。一方で、その需要にまだ答えられず、歯科の役割が定まっていないという現実も知ることができた。

鹿児島大学病院は患者数が多いとはいえず、経験できる症例数は決して多くはないかもしれない。しかしながら、地方都市であるがゆえに地域医療の現状を身をもって感じられ、地域の口腔衛生を支えるというプロフェッショナリズムを持つことができたと思う。

いずれはかかりつけ歯科医として開業したい、地域医療のことをもっと学びたい、進路に迷っているという人にとって、鹿児島大学病院での研修は非常に有意義なものになるだろう。

(平成28年度修了 大学病院歯科医療B)